藤原さくら Eテレ「ムジカ・ピッコリーノ」で新境地 「音楽の幅が広がってる」

[ 2021年4月28日 09:30 ]

NHK・Eテレ「ムジカ・ピッコリーノ」に出演する藤原さくら(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】シンガー・ソングライターの藤原さくら(25)が今月からNHK・Eテレの音楽教育番組「ムジカ・ピッコリーノ」(金曜後5・35ほか)にレギュラー出演し、幅広い音楽に挑んでいる。

 子供だけではなく、大人も音楽の楽しさを感覚的に理解できるような番組。物語仕立てになっていて、藤原は空飛ぶオルゴール「モンストロ」の音楽の記憶をよみがえらせる「ムジカドクター」のシエリ役を演じている。

 毎回、共演する子役の暦(10)、ミュージシャンの伊澤一葉(44)らと、さまざまな楽曲をカバー。これまでの放送で、赤い鳥「翼をください」、映画主題歌「チキ・チキ・バン・バン」、童謡「青い眼の人形」、ビートルズ「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」を披露してきた。

 藤原は「『青い眼の人形』はこの番組で初めて知りました。メジャーとマイナーが混じり合っていて、初めて聞いた時、凄い曲だと思いました。普段、カバーする曲を自分で選ぶ場合は、どうしても、聴いたことがある曲になりがちなので、刺激的な体験です」と話す。

 バンドは現在、藤原がアコースティックギターとボーカル、暦もボーカル、伊澤がキーボード、ギタリストの伏見蛍がギターという構成。収録前に、演奏する楽曲の資料や音源を受け取り、スタッフと打ち合わせをした上で、1人で練習を積み、収録に臨んでいるという。

 暦とのデュエットについて「暦くんは素直で、声に透明感があります。元々、子供が好きなので、とても楽しい」と話し、人気バンド「東京事変」のメンバーでもある伊澤との共演に関しては「伊澤さんの出演が決まった時は驚きました。とても優しい人で、話すと、ぼそっと面白いことを言います。お芝居していて、笑っちゃうこともあります」と明かす。

 普段からEテレをよく視聴していて、2013年放送開始の「ムジカ・ピッコリーノ」シリーズはもともと好きな番組。19年放送のシリーズ特番にゲスト出演し、クイーン「ボヘミアン・ラプソディ」をカバーした経験があった。

 「レギュラーの話をいただいて、ありがたい、頑張ろうと思いました。放送が始まって、地元の小さな子供たちから、かなり反応があります。父の友人が普段、子供に唯一、見せている番組がこの番組らしいんです。私が出演することを事前に伝えていなかったので、いつも通り番組を見ていて『友だちの娘が出ている!』と驚いたようです」と笑う。

 番組では、演奏だけではなく、演技にも尽力している。シエリは物語を進行させる重要な役柄。相対するモンンストロはCGのため、スタジオでは空気を相手に芝居をしなくてはいけない。収録が朝から夜まで続くこともあり、なかなか大変そうだ。

 「暦くんに『めちゃくちゃ楽しそうですね』と言われたことがあります。この番組はこれまで多くの人に夢や希望を与えてきました。スタッフさんと一緒にやっていると、番組への愛が伝わってきて、私も頑張ろうと思います。これまで知らなかった曲に出会え、新しい発見があり、自分の音楽の幅が広がっているのを感じます。視聴者の皆様にも同じような気持ちになって頂けるとうれしいです」

 その言葉に深い充実感がうかがえる。Eテレで開いた新境地。藤原の今後の音楽活動がますます楽しみだ。

 ◇藤原 さくら(ふじわら・さくら) 1995年(平7)12月30日生まれ、福岡県出身の25歳。地元でのライブ活動後、2015年にメジャーデビュー。16年、ドラマ「ラヴソング」にヒロイン役で出演。昨年10月、アルバム「SUPERMARKET」を発売するなど活躍中。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。  

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