最年長タイトルホルダー・渡辺王将「若い人の戦術についていくのが大事」

[ 2021年3月15日 05:30 ]

スポニチ主催 第70期王将戦7番勝負第6局第2日 ( 2021年3月14日    島根県大田市・さんべ荘 )

感想戦の渡辺王将(撮影・中村 達也)
Photo By スポニチ

 王将戦3連覇を達成した渡辺明王将が14日、第6局終局後、インタビューに応じた。コロナ禍の7番勝負を制した胸の内を語った。

 ――7番勝負を振り返って
 「3連勝から連敗して追い込まれていた。ここで決めることができてホッとしている」

 ――連敗した時の心境は
 「内容が良くなかったし、流れも持って行かれてしまっていた。今回後手番でもあったので、最終局に行くのは覚悟していました」

 ――コロナ禍の7番勝負。いつもと違ったか
 「前夜祭とか(1日目の)指し掛けの日も(以前は関係者と)会食していた。そういうのがないと、ずっと無言で将棋を指している感じ。そういう疲れは感じるところがあった。でも、それも1年たった。慣れてきたところではあった」

 ――第1日に千日手
 「昨日の昼の段階では千日手もあると思った。変化もできなかったので」

 ――指し直し局では53手目▲7二歩の軽手が効いた
 「▲7二歩△同飛で(永瀬飛車の利きがそれ)、自王(の進路)が伸びた。(直後に)▲3四歩と取り込んでどうかと思った。(第2日)昼食休憩明けに、駒をいっぱい渡してしまったので、あまり成算はなかった」

 ――勝ちを意識したのは
 「93手目▲3三歩成でと金ができて先手王が寄らなくなって勝ちになったと思った。最後の1勝は遠かった」

 ――最年長タイトルホルダーとして心掛けることは
 「若い人の戦術についていくのが大事。可能な限り、それは意識している。戦術は変わる。取り残されてしまわないように」

 ――7番勝負で印象に残る一局は
 「内容が濃かったのは2局目。その将棋が大激戦でそれを勝てたのが大きかった。終盤まで均衡が取れた将棋。中終盤はうまく指せた」

 ――今後に向けては
 「王将戦は毎回防衛するのが大変で覚悟していた。結果を出せてホッとしている。タイトル戦は来週も続く。それに向かってやっていければ」

続きを表示

この記事のフォト

2021年3月15日のニュース