井戸田潤「西郷どん」で桂久武を好演 時代劇オファー殺到報道の真相明かす

[ 2018年12月9日 13:00 ]

NHK大河「西郷どん」で桂久武を演じるスピードワゴン井戸田潤(C)NHK
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 NHK大河「西郷どん」で桂久武を演じるスピードワゴン井戸田潤(45)。クランクアップ前に応じたインタビューで西郷隆盛を生涯支える薩摩藩士、久武についての思いを語った。

 久武はお由羅騒動で切腹した赤山靱負(沢村一樹)の弟。西郷の父・吉兵衛(風間杜夫)が日置島津家の御用人をしていたため、西郷とは親しい間柄だった。倒幕後も強い信頼関係で結ばれており、西南戦争では決起した西郷軍に参軍する。

◆初大河「全てが楽しかった」も…相方にはイジられ「西郷さんの犬の役?」◆

――初出演となった大河ドラマはいかがでしたか。

 「初めての経験でしたので、全てが楽しかったですね。難しかったのは薩摩ことば。方言指導の先生から音声データをいただいて耳で覚えました。一つの役を長期間演じる時代劇も初めて。まっすぐ立つこと、畳の縁(へり)を踏まないことなど細かい所作を教わりました。現場ではたくさん踏んでしまいましたが(笑い)」

――出演が決まったときは?

 「最初はドッキリだと思っていましたが、話が進んでいくうちに“これは本当の話なのだな”って。相方の小沢(一敬)さんもビックリしていましたが、喜んでくれました。ただ、たくさんイジってきましたね。“何役やるの?西郷さんが連れていた犬の役?”とか(笑い)。久武さんの血筋を引いた方から“一族で応援しています”と重厚な内容のお手紙をいただいたんです。電話で御礼をさせてもらい“やらせていただきます”とお伝えしました」

――どのようなアプローチで役作りをしましたか。

 「本を読み、話を聞いて準備しました。沢村一樹さんが演じた桂久武の兄、赤山靱負が切腹する場面を鹿児島で撮影したのですが、鹿児島に行った時に学芸員さんがいらっしゃって、久武のことをいろいろ聞きました。歴史の表舞台にはあまり出てこない人ですが、地元・鹿児島ではヒーローのような存在。西郷さんにずっとついていて手紙を遣り取りしたり、西郷さんが島にいたときには鹿児島の家族の面倒を見たりしていたと。写真を見たら凄くイケメンで、学芸員さんが“井戸田さんが演じるのにピッタリですね”と言ってくださって、凄く気持ちよくなりました(笑い)」

◆桂久武は情に厚い人、西郷のことは男として見込んでいたと思う◆

――今作の桂久武は、どのような人物像だと捉えていますか。

 「薩摩の武士は血気盛んな人が多いのですが、久武はそんな感じではなくて。情に厚く、穏やかな人だったのかなと。別の番組で鹿児島にロケに行くことがあって、久武さんのお墓参りに伺いました。実在した方ですから、お墓を見たときに気が引き締まりました。鹿児島の西郷像のそばで、西郷さんの子孫の方がやっている喫茶店に行った時に“久武さんはずっと西郷さんと寄り添っていた方なんです”と聞きました。凄い熱量で話をしていただいた。改めて立派な方だったんだなと感じ、気持ちが高ぶりました。僕は争いを好んではいなかった人だと思う。柔らかい印象の人なんだけど、仲間が戦に行くことになり、自分も行かなければと思ったのではないかと」

――西郷を演じる鈴木亮平さんの印象を教えてください。

 「凄く真面目な方。ワンシーンごとに共演者と話し合いをして、このときの気持ちはどうだったんですかねと、いろいろ演技を構築していく、気持ちを重ねて芝居に取り組んでいる方だなと。亮平くんはまだ西郷さんのようにお腹が出てないような時に、撮影の合間を使ってジムに行ってました。“凄いストイックだなあ”と思っていたら、この間会ったときにはお腹がポコッと出ていて…。役作りが本当に凄いです」

――久武から見た西郷はどのような人物でしたか。

 「久武の方が身分は上ですが、男として見込んでいたので、手紙のやりとりをしていたと思う。斉彬さんに西郷が見出されるところも見ていたと思います。不器用で、変わることができなかった人。自分の思った意見を言い過ぎて島流しにあってますし。久武自身にはないものを西郷は持っていると思ったから、西南戦争も西郷さんについたのだと思います」

――時代劇の衣装はいかがですか。

 「あるネットニュースで“井戸田のかつらが似合っている。イケメンにしか見えない。時代劇になじんでいる。今後、時代劇に欠かせない存在になるのではないか、民放からもオファーが殺到している”というような内容の記事があったんです。周囲の人からもその記事を見たと言われて、これはマジだなと思っていたんですが、マネジャーさんに確認したら1本も時代劇のオファーが来てない(笑い)。記事にビックリですよ。かつら姿は自分自身も悪くないと思いますが(笑い)」

――いよいよクライマックスです。久武の見せ場をお聞かせください。

 「久武は弓の名手なんです。最期は西南戦争中に向こうからバンバン銃で撃たれるんですが、そこを弓で立ち向かう。いい見せ場なんです」

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2018年12月9日のニュース