莫大な遺産の行方は…平尾昌晃さん遺言書の内容はいまだ精査されず

[ 2017年8月19日 10:00 ]

7月21日に亡くなった平尾昌晃さん
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 「遺言書のない相続は、もめると思え!」

 思わず見入った。遺産相続を扱ったバラエティー番組。解説役の弁護士の言葉だ。我が家に財産は皆無だが、この言葉がひっかかったのは、ちょうど遺産相続にまつわる取材をしていたからだ。

 7月21日に亡くなった作曲家の平尾昌晃さん。亡くなる直前に、元チーフマネジャーと再々婚していたことが明らかになった。平尾さんには3人の息子がいる。莫大な財産をめぐりもめ事が起こるのでは――?そんな情報を元に取材を進めた。

 スポニチ本紙既報のとおり、2番目の妻との間に生まれた2人の息子には、平尾さんに代わり名古屋市で育ての母を務めたクラブ経営の女性がいる。養育費用を支払わないまま平尾さんは亡くなったが、女性に相続権はない。ここに息子がわだかまりを抱えていることが取材で判明した。

 先月29日の通夜、同30日の葬儀・告別式に、クラブ経営者の女性は現れなかった。「家族に波風を立てることを心配したのでは」と関係者。葬儀では元チーフマネジャーの妻が号泣し立ち上がれず、息子たちが抱え上げるなど家族愛を見せたが、別の関係者によると「遺産とかは関係なく両者はもともと折り合いが良くはなかった」という。元チーフマネジャーは世話焼きタイプ。平尾さんの妻となってから、家族の問題にも積極的に発言する姿に、少し閉口することもあったようだ。

 平尾さんの遺産分配については、所属事務所やスクールへの分配協議を優先し、家族間の相続については後回しとなるという。

 葬儀・告別式で取材に応じた次男で歌手の平尾勇気(36)は、「平尾昌晃の名を絶対汚さないよう、家族で父の魂を受け継ぐ」と、家族一丸を強調した。

 家族は当面、9月にも開催予定の音楽葬の準備にかかりきりになる。平尾さんは正式な遺言書を残しているとみられるが「今のところ、その内容は誰も精査していないと思う」(関係者)という。もともとの折り合いの悪さを越え、平尾さんの死によって結束を深めた妻と息子が、そのまま絆を保っていけるのか。いつか家族が相続に直面するとき、平和に解決することを祈りたい。(記者コラム)

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2017年8月19日のニュース