向井理ら、野際さん遺作映画撮影の様子明かす「もう撮り直しはないわよね」

[ 2017年6月19日 12:59 ]

野際陽子さんの最後の出演映画となった「いつまた、君と」のヒット祈願を行った(左から)深川栄洋監督、尾野真千子、向井理
Photo By スポニチ

 肺腺がんのため13日に亡くなった女優の野際陽子さんの最後の出演映画となった「いつまた、君と 何日君再来(ホーリージュンサイライ)」(監督深川栄洋、24日公開)に主演の尾野真千子(35)と企画者でもある向井理(35)が19日、同作のヒット祈願を東京・神田明神で行った。

 野際さんは、原作者の向井の祖母・芦村朋子さん役。尾野がその若い頃、向井がその夫を演じたため共演シーンはなかったが、本読みなどで顔を合わせており、尾野は「あまり言葉は交わさなかったけれど、“(役に)どこか同じところがあればいいわよね”という話をしてくださって、私のことをすごく気にしてくださっていた」と感謝。「野際さんから受け継いだものは少ないかもしれないけれど、私と向井くんが演じ、そして野際さんが演じたものがひとつの作品として受け継がれればいいなと思う」としみじみ語った。

 向井は、祖母に関する多くの質問に答え本人の写真も貸したそうで「まじめで、何より役のことを一番に考える方。元気で明るい野際さんしか知らないから、いまだに信じられない。ひとつの作品として野際さんの姿を見てもらうのが恩返しだと思う」と強調。スクリーンでの野際さんは、「やっぱり似ていました。雰囲気や方言もよく言う言葉遣いだったしビックリした。ばあちゃんがいる、と思いましたね」と感慨深げに話した。

 撮影は昨年2月で、野際さんの手術後の復帰作だったという。同年11月に撮り直しがあり、その際にはスタッフに「もう(撮り直しは)ないわよね」と確認したそうで、深川監督は「長くて大きく感情の揺れるシーンだったけれど、すがすがしく気持ち良く演じていただいた。強くて優しくてりんとした、昭和のいい女優さんが天に召されましたね」と悼んでいた。

続きを表示

2017年6月19日のニュース