「LEADERS2」内野聖陽 役さながらの熱血漢!シーンカット覆す熱量

[ 2017年3月26日 08:00 ]

内野聖陽インタビュー(上)

「LEADERS2」に出演する内野聖陽(左は主演の佐藤浩市)(C)TBS
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 俳優の内野聖陽(48)が国産自動車の生産に命を懸けた人々の姿を描くTBSの大型スペシャルドラマ「LEADERS(リーダーズ)2」(26日後9・00)に出演する。同局「半沢直樹」「下町ロケット」などで知られる福澤克雄監督(53)の演出を初体験し「これだけオンエアが楽しみな作品もありません」と充実の撮影。時間の制約上、台本がカットされると「このシーンをどうして切るんですか!」と訴えるなど、役柄さながらの熱血漢だった。

 2014年3月に2夜連続オンエアされ、好評を博した「LEADERS」の第2弾。1934年(昭和9年)、日本の自動車需要は急速に加熱し、外国車販売の戦国時代に突入。国産自動車の開発に心血を注ぐ主人公・愛知佐一郎(佐藤浩市)と、彼を販売面から支え続けた男たちを史実を基に描く。テーマは「開発」から「販売」へ。内野は、GM販売店からアイチ自動車の販売店第1号となった「日の出モータース」支配人・山崎亘を演じる。

 内野は役柄について「開発側に歯に衣着せぬ言葉も吐く男で、お客さんの立場に立ったシビアな目線の持ち主。厳しさのあるキャラクターなので、なるべく甘くならないように気を使いました。(佐藤)浩市さん(演じる愛知)とはタイプの違うリーダーで、それが今回、僕に課せられた役割」と解釈。ただ「鬼キャラばかりだと、ちょっとね。その中に綻(ほころ)びというか、かわいらしさも少し入れ込めれば、と思いつつ演じました。例えば(山崎がたびたび訪れる割烹料亭の女将・飯田キヨ役の)菅野美穂さんとのシーンで、男のチャーミングさが出ていれば」と熱さと愛される要素も兼ね備えるキャラクターを造形した。

 “熱き男のドラマ”に関しては右に出る人がいない福澤監督と初タッグ。福澤組は同じシーンを繰り返し、異なる角度から何度も撮るのが特徴。内野は「どのアングルを使われてもいいような芝居をしないといけないので、役者は大変です」と奮闘。福澤監督十八番の1つ、どアップの演出も体験し「僕は舞台(文学座)出身で相手がいた方が芝居はしやすいので、カメラのレンズに向かって芝居をするのは上手じゃない。今回はテレビドラマならではのテクニックが多用されていたので、新鮮で、おもしろかったですね。実際の映像がどうなるのか、全く想像がつかないので、これだけオンエアが楽しみな作品もありません」と待ち遠しい。

 撮影の9割方がロケ。国内は愛知・豊川、兵庫・赤穂などに足を運んだ。「新幹線が通勤手段で“新幹線っ子”になっていましたね。新幹線から見える富士山も慣れっこになり、感動が薄れて」と苦笑い。それでも、昭和初期の風情が残る京都北部・綾部の工場を訪れ「ここまで来る意味が分かりました」と感銘を受けた。ハリウッド映画の撮影も行われるという中国・上海の「上海影視楽園」でもロケを行い、路面電車を走らせるなどして当時の名古屋の街並みを再現。「本当に贅沢な場所で撮影をさせていただきました」と満足げに振り返った。

 「楽勝だと思うことはやりたくない」がポリシーの1つ。「前作『1』を見て、男として人間として感動しました。その分、今回の『2』はセールスマンの話で、ロマンだけじゃないリアリストな部分もあるので、ドラマとしてどう盛り上げていったらいいのか、プレッシャーもありました。『1』の完成度が非常に高かったので、僕としては『1』がライバルみたいなところも。今回は、ギリギリの苦闘の中から何かを勝ち取っていった男たちの生き様に一番惹かれていたので、そこを自分のイメージの中でどれだけドラマティックに構成するかを考えました」と自身にハードルを課した。

 今作は「山崎の目線から台本を読むと、非常に起伏の激しい、ある意味、痛快な大人のエンターテインメント」と「半沢直樹」「下町ロケット」なども手掛けた八津弘幸氏(45)の脚本に惚れ込んでいた。しかし、諸事情から尺を短くするため、あるシーンをカットしなければならなくなったという。内野は「こんないいシーンを、どうして切るんですか!ここは是非やってほしい」と訴え。熱意が届き、福澤監督も「よし、やりましょう」と撮影は実現。内野の芝居への熱量は、画面からひしひしと伝わるに違いない。

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2017年3月26日のニュース