安藤昇さん“遺言”本 死去当日に最後の著書「男の品位」完成

[ 2015年12月19日 05:42 ]

安藤昇さんの最後の著作「男の品位」

 16日に肺炎のため死去した元俳優の安藤昇(あんどう・のぼる)さん(享年89)の最後の著作となる「男の品位」(青志社)が亡くなった当日に完成したことが分かった。同作は17日に発売されたもの。

 戦後の日本で愚連隊を率い、安藤組の組長、懲役、出所などを経験し、俳優に転身した伝説の男がその生きざまを振り返り、「男の生き方として“変節をせず”を心に刻んで生きて来た自負はある」とつづられている。安藤組には作家の安部譲二氏らも所属していた。

 青志社の阿蘇品蔵社長は今月3日に安藤さんと会った。「最初は“品位なんて柄じゃない”と照れていたのですが、表紙をお見せしたら“いいな~”と気に入ってくれて。特に体の悪いところもなく、元気でした」と振り返った。

 一冊の本として完成したものを届けることができなかった。「(本が)まるで先生の遺言のようになってしまって…。このタイミングで人生の総括をなさったのかな」と話した。

 近年は執筆活動などをしながら、夫人の運転する車で外食に行くことなどを楽しんでいたという。

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