宝塚音楽学校卒業式 主席は元南海・山内投手の次女

[ 2012年3月2日 06:00 ]

宝塚音楽学校の卒業式で、答辞を読み上げる首席卒業の山内亜里さん

 兵庫県宝塚市の宝塚音楽学校で1日、第98期生の卒業式が開かれた。元南海ホークスの投手として活躍した山内和宏さん(54)の次女・山内亜里さん=芸名・暁千星(あかつき・ちせい)=が卒業生総代を務めて答辞を述べた。2年間、歌やダンスなどの稽古に励んだ41人が、タカラジェンヌに向けて第一歩を踏み出した。

 黒の紋付きに深緑のはかま姿の41人を代表し、首席卒業の山内さんが答辞を述べた。厳しい歌やダンスのレッスンを受けた2年間。「温かく見守ってくれた家族の愛情のおかげ」と涙で声を詰まらせながら語った。

 中学3年の時に広島県内で開かれた宝塚の全国ツアー公演を初観劇。その華麗なステージに魅了された。習い事は5歳から続けたバレエだけだったが中学卒業後に受験し、一発合格した。

 父・和宏さんは南海、ダイエー、中日で投手として活躍し、83年は18勝(10敗)を挙げて最多勝に輝いた。計5シーズンで2桁勝利。12年間で通算97勝した速球派だった。1メートル84の大柄な父に似て、亜里さんも1メートル72の長身で「ダイナミックなダンスを踊れる舞台人になりたい」と意気込んでいた。

 和宏さんは広島県福山市の自宅から駆けつけて亜里さんを祝福した。「バレエしかやらせてなかったんですが講師の方のご指導が良かったんでしょうね」と感謝の言葉。道は違えども、プロの道へ踏み出す愛娘に対し「感動を与えられる人になってくれたら」と飛躍を期待する一方で、「普通なら、まだ高校に行っている年齢。こんなに早く手元を離れるとは思ってなかった。もっと会えなくなりますね」と複雑な親心ものぞかせていた。

 卒業生はこの日午後、宝塚歌劇団へ入団。4月13日に開幕する宙(そら)組公演「華やかなりし日々/クライマックス」(5月14日まで宝塚大劇場)で初舞台に立つ。

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