11年度文化庁映画賞 布川事件の記録に大賞

[ 2011年10月22日 19:40 ]

 優れた記録映画を表彰する2011年度文化庁映画賞の大賞に、布川事件を描いたドキュメンタリー「ショージとタカオ」(井手洋子監督)が選ばれ、都内で22日、贈呈式が開かれた。

 1967年に茨城県で起きた強盗殺人事件の容疑者として逮捕され、今年6月に再審無罪が確定した桜井昌司さんと杉山卓男さんの記録。仮釈放後14年間の生活に密着し、人間像を浮き彫りにした点などが評価された。

 近藤誠一文化庁長官から表彰状を手渡された井手監督は「途中で製作の孤独に悩むこともあったが、多くの人に支えられた。受賞でこの映画はひとつ成長したと思う。日本中の人に見てもらいたい」とあいさつした。

 優秀賞には、秋田県・八郎潟の水質再生の取り組みを描いた「里湖 八郎潟物語」(岩崎雅典監督)、岩波映画製作所とその創設者吉野馨治の歩みを資料映像や証言でたどった「夢と憂鬱~吉野馨治と岩波映画~」(桂俊太郎監督)の2作品が選ばれた。

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