岡田茂さん追悼第1弾 松田翔太「東映らしさを表現」

[ 2011年5月18日 06:00 ]

映画「ハードロマンチッカー」で主演を務める松田翔太

 東映が故岡田茂名誉会長(享年87)への追悼の思いを込めたバイオレンス映画を製作する。松田翔太(25)が凶暴な“仁義なき若者”を演じる「ハードロマンチッカー」。メガホンを取るのは「偶然にも最悪な少年」などを手掛け、CMディレクターとしても活躍中のグ・スーヨン監督(39)。自身の原作を映画化する。来年公開予定。

 菅原文太(77)が10日の岡田さんの通夜で「偽善的な世の中にパンチを食らわす東映作品が必ず生まれます」と遺影に誓った約束を実現させようと、東映が岡田イズムを色濃く反映する映画の製作に動き始めた。

 「ハード…」は山口・下関の街をはいかいする在日韓国人のフリーターが主人公。一度キレると相手を血みどろにするまで殴り続ける凶暴な性格で、朝鮮高校の生徒たちと対立していく姿を軸に物語は展開する。

 ケンカはもちろん、レイプやクスリ、人殺しにまで手を出してしまう不良たちの無軌道な暴力をリアルに描いていく内容は、現代版「仁義なき戦い」というイメージ。「東映映画は不良性感度の作品」と公言していた岡田イズムの延長線上にある作品だ。

 先月末にクランクインした製作現場では、過激な描写もいとわなかった岡田さんへの追悼の思いを込め、製作陣が「(暴力シーンを)よりハードに、より面白くしよう」と息巻いているという。

 原作は下関出身のグ監督の同名小説。地元に伝わる“伝説の不良”だった、翔太の父親の故松田優作さん(享年40)が主人公のモチーフだったこともあり、グ監督が翔太の起用を強く希望したという。

 自身のアイデアで髪形をオールバックにし、金髪に染めて役作りした翔太は「この映画は東映らしいことを表現できる作品。グ・スーヨン監督の世界観に飛び込んで毎日を楽しんでます。完成を楽しみにしていてください」と話している。

続きを表示

2011年5月18日のニュース