[ 2010年8月21日 06:00 ]

「神々の黄昏」第2幕、ブリュンヒルデがギービヒ家の連れて来られる場面(C)Bayreuther Festspiele GmbH /Enrico Nawrath

 彼が特段、指示するわけでもないのに音楽の本来あるべきテンポや強弱が自然のうちに楽員たちの内側から導き出される感じがする。それによってプレイヤーひとりひとりが音楽に引き込まれていき、演奏全体に熱が帯びてくる。20世紀の巨匠たちが、この世を去った今、こうしたことが出来る指揮者はティーレマン以外には見当たらない」と舌を巻く。カラヤンはじめ、カール・ベーム、カルロス・クライバー、ダニエル・バレンボイム、ピエール・ブレーズら多くの名指揮者の下で演奏してきた真峰氏の言葉だけに、決して誇張したものではないことは今回の「リング」の圧倒的名演からも明らかだ。

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2010年8月21日のニュース