麻生首相動いた!森光子の「国民栄誉賞」決定

[ 2009年5月12日 06:00 ]

 9日に主演の舞台「放浪記」の上演2000回を達成した女優・森光子(89)に国民栄誉賞が贈られることになった。河村建夫官房長官が11日午後の会見で発表した。「2000回に及ぶ主役は国民に希望を与えた」が授賞理由。史上17人目で、女優では初。“吉報”はこの日、東京・丸の内の帝国劇場で2001回目の上演を終えた森の耳にも入った。

 単独主演2000回の金字塔を打ち立てたばかりの名女優にさらなるビッグタイトルが加わる。17人目の国民栄誉賞だ。
 麻生太郎首相が河村氏や塩谷立文部科学相に検討を指示。河村氏がこの日午後の会見で「麻生首相も国民栄誉賞に十分値すると判断した」と述べた。理由については「長年にわたり芸能の分野で多彩な活躍をし、特に放浪記で2000回におよぶ主役を務め、国民に希望と潤いを与えた」と説明。「2000回は、ほかの人ではまねができない前人未到の業績」とした。
 河村氏は9日の2000回公演に来場しており、森を見つめる観客の輝く目を直に見た。その国民の盛り上がりぶりを、麻生首相らに伝えたものとみられる。
 森はこの日、1日休演日をとって万全の態勢で、新たなスタートとなる2001回目の「放浪記」に臨んだ。開演前に森の楽屋で開く恒例のお茶会でも、やはり話題は「2000回達成」ばかり。ただ、ひとたび幕が開くと「お客さまはその日限り」と常々口にしているように一場一場に集中。2日前のような特別カーテンコールはなかったが、客席からは割れんばかりの拍手が巻き起こった。
 国民栄誉賞のニュースが列島を駆けめぐったのは上演中。森には、2001回目の林芙美子を演じ終え楽屋に戻ったところで関係者が知らせた。「正式にお話をちょうだいしたら気持ちをお伝えしたい」と周囲に話した。決まり次第、会見を行う予定。
 1984年には紫綬褒章、05年には文化勲章を受章。2000回達成後の会見では「まだ見ていらっしゃらない方がたくさんいます。“出前”したい」と全国巡業も示唆。常に観客、ファンを第一に考える森にとっては「国民」と付く賞となれば格別なはずだ。

 ◆森 光子(もり・みつこ)本名村上美津(むらかみ・みつ)。1920年(大9)5月9日、京都市生まれ。10代の頃は喜劇映画の娘役として活躍。大阪のテレビ番組で活動していた59年、菊田一夫氏にスカウトされ上京。61年から菊田氏演出の「放浪記」で主演を続けている。TBS「時間ですよ」などドラマ出演は多数。フジテレビ「3時のあなた」の司会としても有名。今年1月2日深夜にはニッポン放送「オールナイトニッポン」で最年長パーソナリティーを務めた。血液型B。

続きを表示

2009年5月12日のニュース