落合博満氏 自身が選ぶベストゲームは監督1年目開幕戦 開幕投手は移籍後未登板の川崎憲次郎

[ 2024年2月16日 17:00 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(70)が16日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。自身が選ぶベストゲームを発表した。

 これまでは視聴者が選ぶベストゲームを発表してきたが、「オレの中のベストゲームは別よ」と答えていた落合氏。この日の収録では「そんなことあったっけ?」と笑顔でとぼけつつ、改めて収録した動画を見返すと「言ってたね」と笑顔で話した。スタッフに「心の準備は?」ともったいぶりながら話すと「大概の人は知ってるんじゃないかなと思う」と語り始めた。

 落合氏は自身が選ぶ注目のベストゲームについて「2004年の開幕ゲームですよ」と発表。その試合とは、2004年4月2日の広島との開幕戦(ナゴヤD)。開幕投手は、FA移籍で中日加入後右肩故障で3年間1軍登板のなかった川崎憲次郎だった。落合氏は「始まりはあそこからなんでね。あそこからの8年間なんで、いろんなものが詰め込まれたゲームだと思う」と理由を説明した。

 川崎は2回途中5安打5失点でKOされるも、チームは0-5から相手先発・黒田博樹を攻略して逆転勝ち。セ・リーグの開幕戦で5点差を逆転勝利したのは史上初で、記録的勝利で監督初陣を飾った。

 川崎の開幕投手任命について「誰にしようかなと一瞬考えて、1月3日に和歌山の(落合博満野球)記念館からある選手に電話して、お前開幕行くぞって。ダメだったら10日前に言ってくれっていうことを言ってね」と当時を回想。さらに「これは誰にも言わないでくれっていう口止めしてね。ただ、奥さんだけには言っていいからって」と明かした。「で、彼は1月5日からナゴヤ球場で練習をし始めた。それでその通り、予定を組んで開幕は迎えたんだけどね。キャンプ前の1月31日に(開幕投手筆頭候補とみられていた)川上(憲伸)の部屋に行って、“お前は今年開幕(投手)はないからな”っていうことだけは言ってね。そこに岩瀬(仁紀)がいたから、“岩瀬、お前は抑えだからな”って言って部屋を出た。で、1月半ばに何人かコーチ連中を集めて、静岡の川根温泉で森繁和(投手コーチ)だけには“開幕、川崎で行くからな”っていうことだけは言って、“誰にも言うなよ”っていうことから始まったんだ」と当時のやり取りを明かした。

 川崎を任命したのはチームを変革するためだった。「いろんな意味合いを含めてね。球団がチームを変えてくれというのが1つと、優勝してくれというのが1つ」と説明。さらに「チームを変えるためにどうするのが1番いいかなって。ファームでくすぶっている選手っていうのは、監督が代わると目の色が変わるんだわ。で、俺ら力あるのにこの監督に嫌われていて使ってもらえないんじゃないのかなっていうようなふうに考える選手が結構多い中でね。監督っていうのはどういう立ち位置で野球を見なきゃいけないのかなっていうことで、まず公平な目で選手を見ようと。で、その公平な目で見て、じゃあ自分たちで俺はこういう選手だからってアピールしてくる選手がいっぱい増えてきたっていうこと。練習時間が長くても球団のフロントが“選手の表情が明るくなりましたね”っていうことをぽつっとオレに言ったんだ。ああ、今のやり方でいいのかって。それでもシーズンが始まると同時に俺たちに目も向けてくれないのかって思われるのは嫌なんでね。で、ヤクルトからFAで4年契約して3年間何もマウンドに上がってないと。じゃあ彼をモデルにして、3年間1回もマウンドに上がってない俺が開幕投手を務めるってことは、選手に与える影響が大きいんだろうと思った」とした。

 「この選手でも目をかけられて、こうやってゲームで使ってくれるんだ。じゃあ、俺たちも使ってもらえるんじゃないのかなって思ってもらうのがまず第一ね。それとそんなに期待はしてなかったんだけども、投げる以上はちゃんとした調整をして投げてくれるだろうと。まあ、ある意味開幕投手っていうのは、その年のピッチャーの華なんで、これでダメだったら引退試合でもいいのかなっていうようなことを考えながらね。で、そのゲームの相手が黒田(博樹)なんだ。広島戦でね。川上を開幕投手に考えなかったっていうのは、彼は前の年故障してゲームを投げてないの。投げてないピッチャーを次の年の開幕に据えるっていうのは、ある種冒険みたいなところがあってね。そのリスクは避けなきゃいけないだろうと。スコアラーにどのゲームが1番勝てるゲームだって言ったら、3試合目だろうと思いますって言うんで、川上を第3戦に持ってきて、開幕3連敗だけは避けようっていうのも思惑の中にはあったわけ。最悪1勝2敗でもいいやって。それがたまたま3連勝したっていう結果になったんだけども」と振り返った。

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