広島・栗林が鉄腕襲名宣言 フル回転3カ条挙げ日本人最速100Sも視界に「キャリアハイを出せるように」

[ 2024年1月15日 05:45 ]

トヨタスポーツセンターで坂道を駆け上がる広島・栗林
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 広島・栗林良吏投手(27)が14日、愛知県豊田市内のトヨタスポーツセンターで自主トレを公開した。4年目の今季目標に、チーム最多登板を掲げ、鉄腕襲名を宣言した。目標達成に向けて<1>体と投球フォームのバランス構築<2>ノーモア故障<3>スタートダッシュをテーマに掲げた。通算100セーブも視界に捉える守護神がマイペース調整で3・29の開幕へ準備を進めていく。

 栗林は高みを見据えていた。3年目の昨季は1軍で完走できなかった。その悔しさを糧に、今季は自身初のチーム最多登板を目標に掲げた。

 「キャリアハイを出せるように。チームで一番投げたい。(昨季は)島内がたくさん投げていて、自分も頑張らなきゃと思った。今年は自分がそういう存在になりたい」

 昨季、島内はチーム最多の62試合に登板した。最優秀中継ぎ投手賞にも輝いた同学年右腕から刺激をもらった。自身は目標のフル回転へ向けて新たな取り組みに着手していた。

 「(昨季後半戦は)球速も上がって、制球も安定した。(今は)筋力より、体のバランスが大事かなと思う」

 米国のトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」が考案した「プライオボール(重さが異なる6種類のボール)」を練習に本格導入した。上半身と下半身の捻転を確認しながら壁当てを行い、バランスを確認。昨年11月に、都内で同施設のセミナーに参加し、「体の使い方が良くない」と指摘されたことで、改善方法の一つとして取り入れた。さらに、足場が不安定な状態での体幹トレーニングを敢行。開幕までに、体と投球フォームのバランスを構築し、球威向上につなげる覚悟だ。

 「開幕直後がうまくいかないのは、オフに(体を)ケアできず、トレーニングだけしているからかも」

 昨年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は腰の張りで離脱。シーズン開幕には間に合ったが、右内転筋筋挫傷で5月1日に出場選手登録を抹消。今季は故障での離脱回避を誓い、初めて自主トレに個人トレーナーを同行させるなど、体のケアにも努めている。「今年は落ち着いてやっていく。スタートダッシュをうまく切りたい」。スロー調整で、3月29日の開幕に照準を定める。

 今季は節目の記録も目の前に迫っている。ここまで156試合に登板して86セーブ。通算100セーブまで残り14セーブだ。178試合に登板して100セーブに到達した馬原孝浩(ソフトバンク)の日本人最速も見据える。「登板数などにこだわって、必然的に記録がついてくればいい」。まずは守護神として信頼を勝ち取り、フル回転を期する。(長谷川 凡記)

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