阪神・岡田監督 Vパレード観衆65万人に感謝「“おめでとう”より“ありがとう”が多かった気がする」

[ 2023年11月24日 05:15 ]

御堂筋に詰めかけたファンに手を振る阪神・岡田監督(手前)
Photo By 代表撮影

 阪神の優勝記念パレードには午前の神戸市に約30万人、午後の大阪市に約35万人、計65万人の観衆が集まり、18年ぶりリーグ優勝と38年ぶり日本一の喜びに浸った。岡田彰布監督(65)は沿道のファンから届いた多数の「ありがとう」の声を受け止め、連覇への思いを強くした。

 岡田監督の目には、オープンカー仕様のバスの上から、人垣が何重にも見えた。「(道の)裏の方もスゴい(人が)おったからな。スゴかったな」。師走が近いことを感じさせない陽気。「手を振って両肩がだいぶ疲れた」。この日ばかりは疲労も苦ではなかった。予想以上にファンとの距離が近く、沿道の声がよく聞こえた。

 「“おめでとう”と“ありがとう”の違いかな。“おめでとう”という言葉ももらったけど、“ありがとう”という言葉の方が実感に残っているよな。“ありがとう”の方が多かったような気がするよな。言葉的にも」

 球団の監督に15年ぶりに復帰し、18年ぶりリーグ制覇と、38年ぶり2度目の日本一に導いた。「ありがとう」は、栄光の瞬間を長く待ちわびた虎党の心の声だといえた。

 「そうやろうなあ。俺も半分待ってたけどな。ずっとスタンドで見てたんやから」

 主催者発表の約65万人は(神戸市30万人、大阪市35万人)は03年に並ぶ多さ。午前の神戸のセレモニーでは「阪神としては日本一を勝ち取って初めてのパレード」とあいさつした。主力選手だった前回日本一の85年はパレードが開催されず寂しさが残った。午後の大阪・御堂筋の出発地点は、廃校になった母校・大阪市立愛日(あいじつ)小跡地近くだった。セピア色の記憶を同居させながら、「全タイガースファンの声を聞いた」と全国津々浦々から集まった虎党から祝福を受けた。

 晴れの一日は来季へ決意を固める一日にもなった。「やっぱり、勝たないといけない。声援に応えて、いい成績を残して、最終的に勝つ。そういう考えを特に今日は受けましたね」。目指すべきゴールは球団史上初の連覇以外にない。「俺よりも選手がな。ああいう光景を見て、また1年後やろうっていうかな。これだけスゴいっていうかな、やっぱり間近で体験できるのは、ものスゴい大きいと思うよ」。六甲おろしが響き、歓声、拍手は鳴りやまなかった。勝者だけが味わえる喜びが猛虎をさらに強くさせる。(倉世古 洋平)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年11月24日のニュース