エンゼルス・大谷 2回途中降板…右肘じん帯損傷で今季登板消滅 18年以来2度目のTJ手術の可能性も

[ 2023年8月25日 02:30 ]

インターリーグ   エンゼルス4-9レッズ、エンゼルス3-7レッズ ( 2023年8月23日    アナハイム )

<エンゼルス・レッズ>第1試合の初回を投げ終え、渋い表情を見せる大谷(撮影・光山 貴大)
Photo By スポニチ

 エンゼルスの大谷翔平投手(29)が23日(日本時間24日)、レッズとのダブルヘッダー第1試合に「2番・投手兼DH」で出場し、初回に両リーグトップの44号2ランを放ったが2回途中で緊急降板。その後の検査で「右肘内側側副じん帯損傷」が判明し、今季残り試合に登板しないことが決定した。完治を目指して18年以来2度目のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)に踏み切る可能性もあり、FAとなる今オフの契約にも影響必至だ。

 第2試合終了後。記者会見場で対応したペリー・ミナシアンGMの目には涙が浮かんでいた。第1試合で「腕の疲労感」で緊急降板していた大谷の右肘内側側副じん帯損傷が判明。「今季の残り試合はもう投げない。医療面でセカンドオピニオンを求めていく」と語り「彼にとって、我々にとってつらい日。気の毒に思う」と声を落とした。

 「右腕の疲労」を訴えて先発を一度回避し、10勝目を挙げた9日のジャイアンツ戦以来、約2週間ぶりの先発登板。だが全球種で球速が落ち、直球平均は年平均より3・8マイル(約6・1キロ)遅い93・1マイル(約149・8キロ)で最速も94・4マイル(約151・9キロ)止まりだった。2回1死一塁。6番打者の5球目がファウルとなった直後にベンチに向かって首を横に振り、わずか26球で降板した。

 打者では初回にメジャー単独トップの44号2ランを右越えに放った。レッズ戦初アーチで球団別ではイチローに並び日本選手最多の24球団目で投手別では松井秀喜を超える同最多141人目からの一発。降板後もこれまでは打者出場を続けたが今回は3回に代打が送られた。検査結果を知った上で首脳陣に「今夜もプレーしたい」と第2試合の打者出場を直訴しフル出場。5回は右翼線寄りの当たりを全力疾走で二塁打としたが、2試合ともに敗れ4連敗。借金6でプレーオフ(PO)進出はさらに遠のいた。

 規定投球回には足りず2年連続での投打同時の規定到達はなくなった。現時点で手術の必要性は不透明で全治も未定。25~27日(日本時間26~28日)の敵地ニューヨークでのメッツ3連戦への同行も未定で今後の打者出場は状況を見ながら判断する。最大の注目は今後の治療法。保存療法か、復帰まで1年以上を要する自身2度目のじん帯再建手術か…。一日も早く復帰を目指すためにシーズン中に手術に踏み切れば、日本選手初の本塁打王や2度目のMVP獲得に黄信号がともる。FAとなる今オフは去就にも注目が集まるが、史上最高額の5億~6億ドル(約725億~870億円)と噂された契約への影響は必至だ。

 世界一に輝いた3月のWBCから投打でフル回転。7月から脇腹や右手中指のけいれんにも見舞われていた。「脱水症状やけいれんはあったが、痛みが出たのは今日が初めて」とミナシアンGM。日本のため、自身初のPO進出のために体を酷使してきた代償は、あまりにも大きかった。(杉浦 大介通信員)

 ▽大谷の前回トミー・ジョン手術 1年目のレギュラーシーズン終了翌日の18年10月1日にロサンゼルス市内の「カーラン・ジョーブ・クリニック」でニール・エラトロッシュ医師による手術を受けた。投手復帰には1年以上を要するが、打者では19年5月7日のタイガース戦で219日ぶりに復帰。投手ではコロナ禍で開幕が遅れた20年7月26日のアスレチックス戦で693日ぶりの公式戦登板を果たすも、1死も取れず5失点で黒星を喫した。

 ≪イチに並んだゴジラ超えた!24球団141人斬り弾≫大谷は通算7試合目のレッズ戦で初アーチとなり、球団別ではイチローに並び日本選手最多の24球団目。残るはマーリンズ、フィリーズ、ジャイアンツ、カージナルス、ナショナルズ、所属するエンゼルス。投手別では松井秀喜を超える同最多141人目からの一発。打球速度115.7マイル(約186.2キロ)は投手登板時の打球速度では自身が21年4月4日に記録した115.2マイル(約185.4キロ)を超えスタットキャスト導入後、歴代最速。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年8月25日のニュース