野村謙二郎氏 試合の「終わらせ方」として見事だった広島の8回 新井監督が信念貫いた成果

[ 2023年7月7日 06:31 ]

セ・リーグ   広島4-0阪神 ( 2023年7月6日    マツダ )

<広・神> 8回、生還した羽月(右)とハイタッチする新井監督 (撮影・須田 麻祐子)
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 【野村謙二郎 視点】広島はいいところがたくさん出た試合だ。

 先発の野村は持ち味を存分に発揮した。一方、攻撃では8回の4点目が取り方が素晴らしい。先頭で代打・末包が安打し、代走・羽月を起用。菊池に送りバントをさせて、左対左でも野間で勝負をかけるのだろうと思っていたところ、羽月が2球目に二盗を決めた。無死二塁からのバントで1死三塁とし、野間が追い込まれてから最高の一ゴロ。単打1本で1点を奪った。8回で3―0。もう1点あるかどうかで守る際の重圧は大きく違う。試合の「終わらせ方」として見事だった。

 チームとして38盗塁は阪神の39に次いでリーグ2番目。失敗28はリーグ最多で、企図数66も一番多い。3点目につながった3回1死からのランエンドヒット(一塁走者・野間が走って、秋山が遊ゴロ)のように記録に残らないものも含めれば企図数はもっと増える。開幕から、どんどん動く方針を掲げ、どれだけ失敗しても、曲げずに貫いてきた。新井監督が選手の背中を押し続けてきたことが成果として出ている。

 昇格3日目の小園が打って主導権を握り、4番に置く西川が中押し。最後のダメ押し点では、ベンチメンバーがそれぞれの役割を果たした。会心の試合運びで首位の阪神に勝ち越した。大きな自信にしていい。 (本紙評論家)

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