阪神ついに崖っ縁 佐藤輝外し&マルテ三塁起用の勝負手不発でヤクルトに連敗、あとは奇跡の4連勝あるのみ

[ 2022年10月14日 05:15 ]

セCSファイナルステージ第2戦   阪神3―5ヤクルト ( 2022年10月13日    神宮 )

<ヤ・神>初回、マルテは三邪飛に倒れる(撮影・大森 寛明)
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 プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(S=6試合制)は13日、両リーグで第2戦を行った。セ・リーグはレギュラーシーズン3位の阪神が、優勝したヤクルトに3―5で敗戦。佐藤輝明内野手(23)を今季初めて先発から外す矢野燿大監督(53)の勝負手も不発に終わった。CSファイナルSでアドバンテージを含む0勝3敗となった過去11チームの日本シリーズ進出はゼロ。ならば、猛虎が歴史を塗り替えるのみだ。

 4連勝あるのみだ。矢野監督の「サトテル外し&マルテ三塁」の勝負手も実らず、ヤクルトに連敗。1勝のアドバンテージを含めて0勝3敗となり、「突破率0割」からの奇跡に挑戦する。

 「何ができるかというのを俺も楽しみにしている。今までやってきたものは明日(14日)出したい。もちろん負ければ終わり。みんなそういう思いでやってくれる。それがどういう結果、内容になるのかは俺も楽しみにしているので。思い切り挑戦するだけ」

 試合後の指揮官は、気持ちを完全に切り替え、前を見た。一戦一戦が非常に重い短期決戦。その覚悟は、試合前に発表されたスタメンに表れていた。レギュラーシーズンでは全試合先発起用した佐藤輝を今季初めてベンチスタートに。5番には、こちらはレギュラーシーズンで一度も守っていない三塁でマルテを抜てきした。

 「点をどう取るかとかいろいろ考えた中の…、はい、作戦です」
 ただ、新打線も、初戦同様に決定打を欠いた。初回1死三塁から近本の右前打で先制。大山も右前打で続き、なおも一、二塁と攻めたが、頼みのマルテが三邪飛では勢いは続かない。2回2死満塁も逃すなど、6回まで追加点を奪えずじまい。逆に、投手陣がその間に3被弾し、苦しい展開となった。

 7回に近本、大山の連打から無死一、三塁とし、マルテの左犠飛でようやく1点を返す。2―5の9回も先頭の近本の四球と大山の右翼線二塁打で無死二、三塁から、ここでもマルテが右犠飛を放って2点差まで詰め寄った。ただ、どちらの回も1点止まり。最後は9回2死二塁から糸原が中飛に倒れ、万事休すとなった。

 佐藤輝は6回2死二塁で代打で登場し、四球を選んだ。ただ、8回無死一塁の第2打席は見逃し三振。悔しさが残る夜となった。

 レギュラーシーズン勝率5割未満のチームで初の日本シリーズ進出を目指す「史上最大の下克上」は、いよいよ風前のともしび。だが、可能性がゼロでないなら諦める必要は一切ない。過去のファイナルSで0勝3敗からの突破がなくても関係ない。前代未聞の「奇跡のドラマ」を起こす舞台は整ったと信じたい。(山添 晴治)

 《0勝3敗は過去11チームで進出ゼロ》阪神はソフトバンクとともにCSファイナルS初戦から2連敗。相手のアドバンテージとあわせて0勝3敗で後がなくなった。4勝先勝のCSファイナルSで0勝3敗は12、13度目。逆転の日本シリーズ進出には残り4戦全勝しかなく、過去11チームで達成はゼロ。7チームが第3戦、残る4チームも第4戦で敗退している。

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2022年10月14日のニュース