広島ドラフト1位指名は苫小牧中央の本格派右腕・斉藤優汰 その思惑は… 

[ 2022年10月14日 05:00 ]

苫小牧中央・斉藤優(撮影・高橋茂夫)

 広島は13日、広島市南区の球団事務所でスカウト会議を開き、20日のドラフト会議で北海道・苫小牧中央高の本格派右腕・斉藤優汰投手(18)を1位指名すると公表した。甲子園出場経験はないものの、高校球界では広く知られた逸材。球団は近年、即戦力選手の指名に重点を置いており、「次世代のエース」の期待を込めて原石の1位指名を決めた。

 今秋のドラフト会議が1週間後に迫る中、新井政権1期生となる1位指名選手が決まった。午前10時に始まったスカウト会議。約2時間後、白武佳久スカウト部長が報道陣の前で名前を明かした。

 「苫小牧中央高の斉藤(優汰)くんを1巡目に指名します」
 広島がドラフト1位指名選手を公表するのは19年の明大・森下暢仁以来。近年は即戦力選手の指名に重点が置かれており、素材の高校生投手を1位指名するのは12年の東福岡・森雄大(現楽天)以来10年ぶりだ。公表には当然、思惑がある。

 「競合を避けるために。北海道の出身なので、来てもらおうという意思の表れ。日本ハムが1位を公表したので作戦上、公表してもいいのかな…と」

 甲子園出場経験こそ無いものの、その名前は広く知られている。1メートル89、88キロの恵まれた体形から繰り出される直球は角度があり、今春に最速151キロをマーク。カーブ、スライダー、フォークでカウントが取れるのも強みで、フィールディングにも定評がある。

 「一番の魅力は直球の力。伸びしろがあって将来性も高く、それ(1位指名)だけの実力がある。鍛えて2~3年でローテーションに入ってくれれば」

 球団が「次代のエース候補」(白武部長)の期待を込める本格派右腕。担当の近藤芳久スカウトはそう力説する。広島の1位指名公表を、お昼休み後に知らされたという18歳は驚きを隠せない。

 「すごくビックリしました。そういう評価をしてもらって光栄に思います。(広島は)球界を代表する選手が何人もいる、明るいチームという印象です。(新井監督は)頼りになりそうな方。これに舞い上がらず、謙虚に過ごしていければいいなと思っています」

 新井監督の意向は入っておらず「ずっと即戦力を獲ってきたので、次世代のことを考えて」(同部長)進めた人選。1位指名を公表したのは巨人、ソフトバンク、日本ハム、西武に続いて、広島が5球団目となった。

 ◇斉藤 優汰(さいとう・ゆうた)2004年(平16)5月27日生まれ、岩見沢市出身の18歳。岩見沢日の出小4の時に岩見沢日の出リトルタイガースで野球を始める。岩見沢明成中では軟式野球部。中2秋で捕手から投手に転向。苫小牧中央では1年秋からベンチ入り。家族は母と弟。1メートル89、91キロ。右投げ左打ち。

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