有田工のスイッチヒッター・中尾 逆転劇呼んだ 「どうしたら塁に出られるかを考えた」

[ 2022年7月25日 15:56 ]

第104回全国高校野球選手権佐賀大会決勝   有田工3―2神埼清明 ( 2022年7月25日    さがみどりの森県営 )

<有田工・神埼清明>8回、左打席に立つ有田工・中尾(撮影・岡田 丈靖)         
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 有田工が春夏連続の甲子園出場を決めた。

 1点リードの8回1死に珍しい場面があった。登録は右打ちで背番号16の8番の中尾仁寿希内野手(2年)が2ボール1ストライクになると、打席を変えて左打席に立った。打席では小刻みに動きながら揺さぶる姿を見せた。フルカウントになると、再び右打席へ。フラフラと右翼線に上がった打球は相手二塁の好守備に阻まれ二飛に倒れた。

 中尾は「自分はバッティングが守備より得意ではないので、どうしたら塁に出られるかを考えたら、右左を変えないと難しいと思った」と話した。左打席は練習試合も含めて実戦では初。練習では100回素振りをした後に、20回左打席でスイングする練習があるといい、準備はできていたという。

 有田工は準決勝で両打ち登録で背番号4の山口洸生内野手(3年)が1球ごとに打席を変える姿がネット上で話題になった。梅崎信司監督は「(中尾は)ほんとは右しか打てないんです」と明かし、「雰囲気を変えたかった。左に立ってみろと。雰囲気変わるぞと。そういうのを狙いました」と話した。「役割をそれぞれうちの子はみんな分かっているんです。自分の役割を分かっていることが、選手の強みだと思う」と語った。

 山口洸は準決勝で左肩を亜脱臼した影響でこの日はベンチから声援を送った。中尾は「ここで負けるのは自分にとっても悔しくて、(山口洸に)絶対に甲子園でプレーしてほしかった」と話した。

 中尾は2打数無安打だったが、7回は先頭で死球で出塁し、逆転劇につながった。

 有田工は中尾、山口洸、相川の3人が両方の打席に立てるという。

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2022年7月25日のニュース