和歌山南陵が初の4強 エース左腕の武藤玲央が計8回を3失点熱投

[ 2022年7月25日 13:34 ]

第104回全国高校野球選手権和歌山大会・準々決勝   和歌山南陵6―3日高 ( 2022年7月25日    紀三井寺 )

<日高・和歌山南陵>8回、ピンチを切り抜けほえる和歌山南陵・武藤玲央
Photo By スポニチ

 創部7年目の和歌山南陵が接戦を制し、初の4強入りを決めた。エース左腕の武藤玲央(3年)が5回までを3失点。6回に右翼へ回ったが、7回から再登板で3回を無失点に抑え、試合を締めた。

 「目標がベスト4とずっと言ってきたので、達成できたことにすごくホッとしています」

 ポイントは柏田次哉監督が「よく点を取られる」と話す6回だった。休憩の意味合いも込めて一旦、エースを右翼へ“避難”させたことが、150球の熱投につながった。武藤最大の見せ場は3点を勝ち越した8回。2死満塁から、4度も捕手のサインに首を振って直球を選択。こん身のボールで三振に仕留め、勝負あった。

 5月には教員のストライキが起こり、理事長が退任。ネガティブなニュースが校内を包む中、野球部は通常の練習を続けることができた。「僕たちはいろいろな問題があったりしましたが、自分たちが勝つことで、和歌山南陵のいい面を見てもらいたかった」と背番号1。春季県大会では2回戦で7点リードをひっくり返されてから帽子のつばには「慢心」。気持ちが緩みそうになるとき
、自らを戒めるために記した2文字を見ながら、リードを守り抜いた。

 27日の準決勝では智弁和歌山との対戦が決定。指揮官は「もう、ちょっと無理」と冗談半分で弱音をこぼしたが、野球は何が起こるか分からない。「生徒も幸せ、私も幸せ。うれしい限りです」。失うものは何もない新鋭校が、ジャイアントキリングを狙う。

続きを表示

2022年7月25日のニュース