ソフトバンク・リチャード 1軍定着へ小久保2軍監督から3カ条伝授 秋の目標は「自分に勝つ」

[ 2021年11月12日 05:30 ]

<ソフトバンク秋季キャンプ>小久保二軍監督の見つめる中、ロングティーをするリチャード(撮影・中村 達也)
Photo By スポニチ

 2軍には戻らない。宮崎秋季キャンプ第2クール3日目の11日、ソフトバンクのリチャード内野手(22)が小久保裕紀2軍監督(50)の熱血指導を受けた。技術のほかに1軍定着への心得となる(1)人より早く動く(2)メモを取る(3)全力疾走の「3カ条」も伝授された右の大砲。将来の4番候補として、1軍定着にとどまらず三塁のレギュラー奪取まで狙う。

 2軍生活には今季でピリオドを打つ。フリー打撃を終えたリチャードは「お願いします!」と声を張り、小久保2軍監督にティー打撃を志願した。両隣の栗原、川原田が黙々と打ち込む中、リチャードは質問を繰り返し、15分間の野球談議に花を咲かせた。

 「シーズン最後に思ったことを小久保さんに聞いて、考えていることが同じだった。今年の課題になったのでそれを来年に生かすって感じです」

 課題は浮き彫りとなっている。今季はシーズン終盤に1軍合流。9、10月で7本塁打を放ったが、打率・181。1軍では切れとコントロールのある直球を捉えきれなかった。2軍とのレベルの違いを痛感した。「ナチュラルな強いスイングをしようとしています。“おらあ!”って振るんじゃなくて“ドンっ”って感じを無意識にできるように」。求めるのは小さく速いスイングだ。

 個別練習で約450球のロングティーを打ち込むまで見守った小久保2軍監督は「シーズンに入ったら俺の顔を見るな」とファーム卒業指令を出した。

 また、成長に必要不可欠な3カ条も与えた。(1)人より早く動くこと(2)メモを取ること(3)野球を辞めるまで全力疾走。未来の4番候補に向け、通算413本塁打を放った男の言葉に力が込められていた。

 今季、2軍監督としてリチャードを指導してきた藤本監督も「レギュラーになってほしいと思っています」と期待を膨らませた。今季のホークスは、グラシアルの長期離脱や、右のレギュラークラスの不振で打線の迫力に欠けた。右の大砲は喉から手が出るほど欲しい。

 三塁には14年連続開幕スタメンを守ってきた松田がいる。リチャードは「(まず)自分に勝つことです」と秋の目標を宣言。3カ条を胸に、心とバットの芯を強くして、松田の牙城に挑む。 (福井 亮太)

続きを表示

2021年11月12日のニュース