新庄BB 細かすぎる走塁改革 ベースに赤と緑のテープ貼り左足、右足の踏み分け

[ 2021年11月12日 05:30 ]

走塁練習、左足でベースを踏む宮田(右は紺田2軍外野守備走塁コーチ)(撮影・高橋 茂夫)
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 日本ハムの「ビッグボス(BB)」こと新庄新監督が、宿題を課していた。前日で沖縄・国頭での秋季キャンプ視察を終えたが、チームは新たな改革に取り組んだ。

 第2クール最終日。走塁練習で一~三塁の各ベースには、赤と緑のテープが貼られていた。ボスの指示を受けたのは紺田2軍外野守備走塁コーチ。「ベースターンの仕方を練習してほしい、と。(安打)1本で点を取りたいという野球が選手に伝わるんじゃないか」と狙いを代弁した。

 一辺38・1センチのベース。走者から見て手前側の一辺の左角から低い位置に赤、それよりやや中央、高いへりの部分に緑のテープが貼られた。左足でベースを踏む場合は赤、右足で踏む場合は緑の部分と指示。その差は9センチほどだった。

 いずれもベースを蹴る瞬間に体を鋭く回転させ、膨らみを小さくさせるのが目的。左足の時は、右足よりも体を左側に傾斜させやすく低い位置で蹴ることで、鋭く回転しやすくなる。右足の場合は、逆に遠心力で体が立ちやすく、それを防ぐためにへりの部分を利用する狙いとみられる。俊足の五十幡は「もっとうまく回れる蹴り方が明確になった」と効果を口にした。

 細かすぎるBBの宿題は、理想とするスモールベースボールの追求のため。視察最終日だった稲葉GMは「札幌ドームは広いので、本塁打をそんなにたくさん打てるわけではない。じゃあどうやって点を取っていくか。(野球観は新庄監督と)一致している」と説明した。今季、78本塁打、454得点はいずれもリーグワースト。視察3日間と宿題を合わせ、ビッグボスの細かすぎる改革は早くも7つ目となった。(東尾 洋樹)

 【新庄BB流細かすぎる改革】☆遠投は低く 「上に投げて強いボールを投げても意味がない」とグラウンドに運び込んだワゴン車の屋根に乗り約3メートルの高さを指示。

 ☆高速バントマシン バント練習用マシンの球速を130キロ程度から限界に近い140キロ超に設定。「もっと速くしたい。遅い球では意味がない。(試合では球が)ホップするんだもん」

 ☆風向き計算送球 ケース打撃で万波が本塁送球するもセーフ。「ドームなら本塁でアウト。野外なら三塁に投げなさい。風で球が曲がってセーフになる」と風向きも計算にと指示。

 ☆脱力打法 ジャイアンツ時代の同僚B・ボンズが重さ980グラムのバットを短く持っていたのを例に「長く持ったバットで芯に当てるより、短く持ったバットでコンパクトに、速い球の力を利用してコンって打つ」。

 ☆ショートピッチング ブルペンで、捕手を本塁より前に座らせ、8割程度の力で投げる練習をしてから、投球練習に移ることを提案。

 ☆守備位置入れ替えノック 捕手と内野手は外野、外野手は内野でのシートノック実施。「外野は内野、捕手は外野の気持ちを分からせる。こういう球を投げたら捕りやすいんだと愛情を持った送球になる」

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