西武・栗山 38歳誕生日に2000安打王手「楽な気持ちで」いざ4日に決める

[ 2021年9月4日 05:30 ]

パ・リーグ   西武8ー4楽天 ( 2021年9月3日    楽天生命 )

<楽・西>9回1死一塁、右前打を放つ栗山(撮影・尾崎 有希)
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 ついに、あと1本だ。西武・栗山巧外野手(38)が、生え抜き初の2000安打に王手をかけた。38歳の誕生日を迎えた3日、楽天戦で4―4の9回1死一塁から右前打。通算1999本目の安打は、チームの勝ち越しと、一挙4点の猛攻につなげる貴重な一打となった。史上初のバースデー到達はならなかったが、4日の同カードで決めてみせる。 

 千両役者のバットが、手元を離れかけた白星を再び引き寄せた。栗山が、同点で迎えた9回1死一塁の第4打席で、宋家豪(ソンチャーホウ)からしぶとく一、二塁間を抜く右前打。ついに、球団史上初となる生え抜きの通算2000安打に王手をかけた。

 「あんまり意識はしていないですけど、シンプルにあと1本で2000本。そういうことだと思っています」

 8回に川越のソロでリードを広げたが、その裏に3番手の森脇が先頭から連続四球を与え、岡島の2点打で同点に追いつかれた。今季、何度も見られた中継ぎ陣の崩壊。さらに目前の9回無死一塁では、外崎が送りバントを失敗した。それでも、栗山は「失敗することもあるし、嫌な流れを感じないように、自分がまた突破口を開けたらという前向きな気持ちで打席に立ちました」。ベテランらしくチャンスメークし、1死満塁から呉念庭(ウーネンティン)の決勝打を呼び込んだ。

 4回にも貴重な中犠飛を放っており、1安打1打点。辻監督は「犠飛が非常に大きかった。1本出たので、明日にも決まるんじゃないですか」と、4日がメモリアルデーになると予言した。

 中村と並ぶチーム最年長野手はこの日、38歳の誕生日を迎えた。前日までは「うれしい年でもない」と語り、報道陣に「お祝いは何件ぐらい来たか」と問われると「意外に少ないなと思われたら嫌なので…」と笑った。

 しかし、実は日付が変わった瞬間、リーグ戦再開直前に日本ハムへトレード移籍した木村からLINEでメッセージを受信。5学年下の同じ外野手からの祝福に「どんぴしゃに、くれましたね。一緒に野球をやった仲間ですから、そういう先輩、後輩はこれからも変わらない。うれしかったです」と頬を緩めた。

 「楽な気持ちでいきたいと思います。しっかり仕事ができるように。自分なりにしっかり勝負をかけられるように。そこだけ意識して頑張ります」。これまで積み上げてきた1999本と同じ気持ちで。あくまで平常心で、勝利につながるメモリアルな一打を放つ。(花里 雄太)

 ≪13人中10人が次戦で達成≫栗山(西)が9回に右安打を放ち、2000安打に残り1本とした。過去10年間に2000安打を達成した選手は16人いるが、1999安打目を放ち、次戦以降に2000本目を持ち越した選手は13人(2安打で一挙達成が3人)。うち、2試合以上かかった選手は3人だけで、10人は王手の次戦で決めており栗山も続きたいところ。また、楽天予告先発の岸とは通算5シーズンの対戦で28打数3安打、打率・107と苦手にしているが、かつての同僚から記念の一打を打てるか。

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