オリックス・由伸 止まらん9連勝!50勝一番乗り導き「一歩ずつ優勝に近づけるように」

[ 2021年9月4日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス2-1ソフトバンク ( 2021年9月3日    ペイペイD )

<ソ・オ>12勝目を挙げた山本(左から2人目)はナインと笑顔でタッチを交わす(撮影・岡田 丈靖) 
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 オリックス・山本は9回、ジョーンズの決勝打を見届け、両拳をグッと突き上げた。8回2死一、二塁から栗原に同点打を許し、連続無失点が22イニングで止まっても最少失点。8回120球の力投が報われた。何度もチームを救ってきたエースが今回は救われた。今季初めてリーグ単独トップに立つ12勝目。1週間前に続いて連敗を止め、14年以来のリーグ50勝一番乗りに導いた。

 「勝ち切れてよかった。立ち上がりはバラつきがあったけど、早く気づけたのが成長ポイント。2回以降いいボールを投げられた」

 初回1死から2者連続四球で危機を招いても客観視できるクレバーさが23歳の凄みだ。「抜けたボールが多かった。体が突っ込みすぎていた。それをすぐに修正できた」。最速155キロの直球を軸にカーブで緩急を駆使し、7回まで1安打に抑えた。

 躍進の両輪が山本と宮城。登板するごとに白星を競い合い、7月からは先行する宮城を追いかける形で、今回初めて抜き去った。自己最長を更新する9連勝は球団では10年金子以来11年ぶり。中嶋監督と5メートルほど離れた場所で同時に報道陣に対応していた試合後、指揮官があえて聞こえるように「エースの風格はだいぶありますから!」と声を張ったのが信頼の証だ。

 前回8月27日の対戦は同一シーズン2度目の完封勝利で、日本シリーズ4連覇王者を2週連続で圧倒。リーグ50勝一番乗りは12度目で、過去7度はリーグ制覇している。「一つずつ積み上げる。残り試合も少なくなり、一試合一試合の勝敗が大きく影響する。一歩ずつ優勝に近づけるように」。その右腕が、25年ぶりの頂点をたぐり寄せる。(湯澤 涼)

 《7年ぶり最速50勝》オリックスが50勝パ・リーグ一番乗り。14年の両リーグ一番乗り以来7年ぶり12度目(前・後期制のシーズンを除く)で103試合目は最も遅い。過去11度のうち優勝は7度。V逸の4シーズンも2位と、Aクラス率は100%。

 《球団11年ぶり9連勝》山本(オ)が8回1失点の力投で12勝目。宮城(オ)の11勝を抜き、今季初めてパの勝利部門で単独トップに立った。5月28日のヤクルト戦からは9連勝。オリックスの投手では10年金子(現日本ハム)の13連勝以来11年ぶり。

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