阪神・中野 見逃せば押し出し四球も悪球打ちで逆転G倒!プロ初「1番」で満塁一掃の決勝三塁打

[ 2021年9月4日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神7-3巨人 ( 2021年9月3日    甲子園 )

<神・巨>7回2死満塁、勝ち越しの3点適時三塁打を放ち、ガッツポーズの中野(撮影・北條 貴史)
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 阪神は3日、54日ぶりに激突した巨人を3点劣勢からの逆転で破った。同点に追いついた7回、なお2死満塁で中野拓夢内野手(25)が決勝の右越え三塁打を放ち、プロ初1番の抜てきに応えた。1日の中日戦から同じ打順0人という大改造が実り、巨人に「マイナス0・5ゲーム差」。4日に勝てば首位に再浮上する。 

 見送れば高めに外れるボールだった。同点の7回2死満塁でフルカウント。押し出し四球で勝ち越しの1点が入るという小さな考えはなかった。中野は大江のスライダーを構わず振り抜いた。右翼ポール際のフェンスに直撃。走者を一掃して一気に3点を奪い到達した三塁で拳を力強く突き上げた。

 「四球狙いという気持ちになってしまうと、打席の中で弱気になってしまうと思った。多少のボールが来たら振りにいこうという気持ちを持って振りにいった」

 矢野監督も「見逃せばボールだったと思うけど、“挑戦しよう”“失敗を恐れない”と言っているチームなんでね」とうなずいた。たとえ凡退でも責めなかっただろう。チームのスローガンを凝縮するような一打で勝利をつかんだ。

 1日の中日戦から雨天中止を挟み、大きく入れ替わった打線でプロ初の1番を任された。決して好調だったわけではない。むしろ過去4試合は無安打の停滞。先月27日の広島戦以来、20打席ぶりの安打で抜てきに応えた。

 今季の躍進に貢献してきた新戦力の1人だ。同じ新人で奮闘してきた佐藤輝が先発を外れた先月29日に首位からも転落した。2学年下の年下でも「頼りになる」と羨望(せんぼう)すら抱いてきた同期の“戦友”の名前が4試合連続で先発オーダーから消えた中、大仕事で救った。

 上位に俊足の左打者3人を並べた矢野監督は「これがいいんじゃないかなと思って選んだ。いつも思い切って行けっていう気持ちで送り出している」と説明した。井上ヘッドコーチは「これから先はやっぱり日替わり定食じゃないけど、何がベストなのかを考えて。うまく機能するのかしないのか、ギャンブル的なところもある」とまで言った。大改造の賭けは白星に出た。

 残りは41試合。打順が何番だろうと打って勝つしかない。「今日勝てたのは非常に大きい。何とか、このカード3連勝できるように。明日も、いい流れで頑張っていきたい」。中野も余韻に浸ることなく前を向いた。(須田 麻祐子)

 《スタメン野手3人&5人の打順入れ替え》阪神は1日の中日戦からスタメン野手3人を入れ替え、残り5人も全員打順を入れ替えた。中野はプロ初の1番。島田は18年10月13日、中日戦で2番を務めて以来、3年ぶり10度目の先発。近本の3番は昨季最終戦の11月11日DeNA戦以来通算5度目。マルテの4番は7月9日の巨人戦以来、今季8度目。1日の4番サンズは7月3日の広島戦以来、今季4度目のスタメン落ち。8番坂本は今季4度目の先発マスク。前回8月27日の広島戦と同じく西勇と今季2度目の先発バッテリーを組んだ。

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2021年9月4日のニュース