落合打法だ!国士舘・清水が“流して”決勝適時三塁打 3度3冠王の「バットの出し方とか」猛勉強

[ 2021年7月12日 05:30 ]

全国高校野球選手権西東京大会1回戦   国士舘18ー0都調布北 ( 2021年7月11日    町田市小野路 )

<都調布北・国士舘>初回1死一塁、適時三塁打を放つ国士舘・清水(撮影・郡司 修)
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 第103回全国高校野球選手権(8月9日から17日間、甲子園)の地方大会は11日、40大会で332試合が行われた。西東京大会では16年ぶりの夏の甲子園出場を目指す国士舘が都調布北に18―0の6回コールド勝ち。清水武蔵内野手(3年)が決勝打を含む2安打を放った。12日は38大会で266試合が行われる。

 少しだけ、あの名人の打ち方をマネしている。グリップを少し下げてから振り出す独特のフォーム。3番に座る右のスラッガー・清水は初回1死一塁で右翼手の頭上を越える先制の適時三塁打を放ち、決勝打となった。

 「初戦だったし、先制点が取れたら、でかいと思っていた。甘い球は来ないと思っていた。外のボール球でもうまく乗せられた」

 父・智広さん(49)から「右の最高の打者だから」と説明され、3度の3冠王を獲得した落合博満の打撃を参考にしている。落合がボールを引きつけて逆方向に大飛球を飛ばす映像を見て「バットの出し方とか参考にしている。打撃論を聞いて、“なるほど”と思う」と食い入るように研究してきた。この日の先制打は、本家のような打撃だった。

 鹿児島県出身の薩摩隼人。「関東で野球をやりたい」と、春夏計11度の甲子園出場を誇る国士舘で勝負することを決めた。野球を始めた小3から、逆方向への打撃を磨いてきたが、永田昌弘監督も「下級生の頃は“右方向に打て”とうるさく言っていた」と振り返る。飛距離も伸びて、高校通算20本塁打をマークしている。

 昨夏、2年生ながら甲子園で行われた交流試合の磐城(福島)戦に出場し、1安打を放った。「最初は球場の雰囲気に押しつぶされそうになったが、だんだん慣れていった。もう一回、甲子園でやりたい。みんなにも“甲子園はいいところだよ”という話はしています」と、再び聖地でプレーすることだけを考えて過ごしてきた。

 夏は16年ぶりの甲子園出場へ、12安打18得点を奪って6回コールド発進。令和の時代に珍しい「落合打法」を武器に、清水が聖地までけん引する。(川島 毅洋)

 ◇清水 武蔵(しみず・むさし)2003年(平15)4月14日生まれ、鹿児島県出身の18歳。小3から薩摩南洲ボーイズで野球を始め、6年時に全国大会出場。土橋中では桜島ボーイズに所属。国士舘では1年夏からベンチ入り。1メートル78、76キロ。右投げ右打ち。

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