東京五輪は先発でも中継ぎでも「勝ちに貢献できるところで全力尽くす」 オリ・山本由伸単独インタビュー

[ 2021年7月6日 05:30 ]

東京五輪への決意を語った山本
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 東京五輪で頂点を狙う侍ジャパンの代表内定選手、オリックスの山本由伸投手(22)がスポニチ本紙の個別インタビューに応じた。投手陣のキーマンと目される右腕は、役割にかかわらず、金メダルを狙うチームに貢献することを誓った。(取材・構成 湯澤涼)

 ――5月28日から5連勝中で投手3冠も視界に入っている。
 「5月(中旬まで)は悪い試合(自身3連敗)もありましたが、だいぶ調子が安定してきましたね」

 ――チームも首位を快走している。
 「投手と野手のバランスが取れてカバーしあい、いいゲームができている。先制点を取られても、抑えていれば逆転してくれる感じもあるし、野手が抑えられている時はロースコアで投手が抑えて勝つこともある。上位にいることがなかったので、やりがいは、すごく感じますね」

 ――侍ジャパンに内定。五輪アスリートになる将来像を描いたことはあったのか。
 「五輪は、どの競技も放送があるから、自然と日本を応援してましたけど、出られる、出られないとか考えたことはなかったです。なんか不思議な感じ。プロ野球選手になりたいと思っていましたけど、オリンピック選手になりたいという方向ではなかった」

 ――順風満帆に見える野球人生で挫折は。
 「挫折というほど落ち込んだことはないですが、負けるのはね。僕は(都城高で)甲子園に出られなかったし大事な試合で負けたりもした。1年の夏も最後に投げて逆転されて初戦敗退(高千穂戦の8回に登板し2失点し敗戦投手)。2年夏も投げて負けた(準々決勝の宮崎日大戦に9回1失点も零敗)。高校球児はほとんどが、そうなんですけど、僕は負けている。だから、とにかく負けるのが悔しい。それが僕の反発心というか、反骨心というか、バネになっていると思います」

 ――19年秋の「プレミア12」では自己最速158キロを計測した。
 「あれは、たぶん打球速度ですね(笑い)。156~7キロはシーズン中も出ますけど、158キロは、あの1球しか出ていないと思うんです。あれは外国人選手のパワー(笑い)。160キロですか? いやいや。まずは抑えたいですね、無事に」

 ――金メダルを期待される重圧は。
 「プレミアでも感じましたが、注目度もすごくありますし、ファンの方の期待も大きいと感じた。プレッシャーっていうか、ちょっと違う雰囲気は感じましたね。だから、しっかり練習しておかないとなって思います。実力があれば、たぶん(重圧も)乗り越えられると思っていますね」

 ――先発にしろ中継ぎにしろ、重要局面での起用が予想されるジョーカー的存在。
 「僕としては、勝ちに貢献できるところで、全力を尽くすだけです。当たり前だし、基本的なことですけどね。最大8試合ですかね、その8試合に全力で挑みたい。それだけ」

 ――同僚の吉田正尚選手も内定している。
 「オリックスのファンの方は日頃から応援してくださっているので(吉田正とともに)しっかり喜んでいただけるような結果を残したいと思います」

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