【イースタン期待の若手】楽天2年目・水上 小柄でも“頭”争心「勝てる捕手に」

[ 2021年7月6日 05:30 ]

さまざまなポジションを経験しながら実戦を積んでいる楽天・水上(球団提供)
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 楽天の未来の正捕手候補として成長著しいのが高卒2年目の水上桂捕手(20)だ。明石商時代に甲子園を沸かせた期待の若手。プロとしての基礎的な能力の向上をテーマに、イースタン・リーグでは捕手以外のポジションでも実戦経験を積んでいる。持ち前の洞察力を磨きながら、扇の要として必要なスキルを習得するために研さんの日々を送っている。

 今年も暑い季節がやってきた。水上が明石商の正捕手として甲子園を沸かせた夏から2年。5日に20歳になったばかり。大人の仲間入りを果たした今も、球児の頃と同じように汗と土にまみれて白球を追っている。

 捕手というポジションの特性から、2軍戦でも常にマスクをかぶれるわけではない。今季の成績は52試合で打率・200、8打点(2日時点)。二塁や三塁、外野とさまざまなポジションに就きながら実戦経験を積んでいる。

 1メートル72とプロの世界では小柄。ずばぬけたパワーこそないものの、星2軍バッテリーコーチは「センスが良くて洞察力や周りを見る力がある。負けず嫌いな性格もプロ向き」と評価する。データ分析を基に、打者を打ち取るプランを組み立てるのも捕手の重要な役割。肉体や技術と同時に頭脳も日々鍛え上げている。

 今季、2軍施設で調整していた則本昂の球を、ブルペンで受ける機会があった。ミット越しに超一流投手のレベルの高さを感じ、衝撃を受けた。1軍の先発陣には岸、涌井、田中将らレジェンド級のスター選手が顔をそろえており「(1軍の)スタメンとして凄い先輩たちの球を受けることを目標にやっている」と目を輝かせる。

 若手の登竜門「フレッシュオールスター」に初出場することが決まった。多くの選手がこの舞台から羽ばたき、スター選手への階段を駆け上がっていった。「勝てる捕手になる。体が小さくでもプロでやれるということを見せたい」と水上。甘いマスクを引き締めながら、力強く自らの未来予想図を口にした。(重光 晋太郎)

 ◇水上 佳(みずかみ・けい)2001年(平13)7月5日生まれ、兵庫県出身の20歳。中学時代は三田ヤングに所属し、明石商では正捕手として2年夏から3季連続で甲子園出場。3年時は春夏ともに4強入りに貢献し、高校日本代表としてU―18W杯に出場。1メートル72、75キロ。右投げ右打ち。

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2021年7月6日のニュース