阪神 走って会心同点劇!7回熊谷二盗から糸原千金打 矢野監督「うちらしい野球できた」

[ 2021年5月12日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4ー4中日 ( 2021年5月11日    甲子園 )

<神・中>7回2死一、二塁、糸原の右前適時打でヘッドスライディングで生還する二走・熊谷(撮影・坂田 高浩)
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 会心の同点劇は、2死走者なしから始まった。3―4で迎えた7回。中日・祖父江の前に梅野、中野が倒れたものの、西勇の代打・原口が、遊撃内野安打で出塁した。空気を変えたのは代走で一塁へ向かった熊谷。盗塁成功率10割を誇るチーム随一の脚力の持ち主が見せ場をつくった。

 「僕の武器をしっかり試合の中で出せたというのが良かったですし、原口さんも代打でつないでくれて僕に(盗塁の)期待をもってきたのが分かったので、前だけを見て、次の塁を狙いながらいった」

 迷うことなく、近本の初球にスタートを切り、二塁を陥れた。試合前の時点で盗塁阻止率・450とリーグトップだった木下拓はボールを握ることができず自慢の強肩を発動できず。今季4個目となる盗塁で得点圏に進み、バッテリーにプレッシャーをかけることに成功。リスク承知で“飛び道具”を発揮した伏兵の貢献を生かしたのが、糸原だった。

 近本の四球で一、二塁として打席に入ると、1ボール2ストライクから4球目のスライダーをしぶとく右前へ。前進守備を敷いていた右翼・武田の懸命の本塁送球も二塁走者・熊谷が再び俊足を飛ばしてヘッドスライディングで生還。価値ある一打を「何がなんでもランナーをかえすという気持ちで打ちにいった」と振り返った。

 9回もサヨナラ勝利には結びつかなかったものの、代走の植田、中野がともに二盗。木下拓が1イニングで複数盗塁を決められたのは昨年10月1日以来2度目。中日の守護神のR・マルティネスを慌てさせた。積極性、機動力、粘り、執念…チーム全体で目指すテーマを体現するような攻撃に、矢野監督も力強くうなずいた。

 「(7回は)2死走者なしからの得点になったので、それぞれが良い仕事をして、うちらしい野球はできた」

 猛虎の強み、勢いの継続を見せつける一戦だった。(遠藤 礼)

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2021年5月12日のニュース