ソフトバンク・上林 王会長からの原点回帰指令胸に復活誓う

[ 2021年2月8日 05:30 ]

打撃練習を行った上林(撮影・中村 達也)
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 あの頃の輝きを取り戻す――。プロ8年目を迎えるソフトバンクの上林誠知外野手(25)が7日、王貞治球団会長(80)からの激励に応え、今季の復活に懸ける思いを語った。侍ジャパンにも選出されたことがある上林だが、昨季まで2年連続で打率1割台と低迷。王会長が発した原点回帰の言葉を胸に刻み、この春季宮崎キャンプで技術、精神面ともに磨き、レギュラー再奪取に挑む。

 18年には全143試合に出場し、22本塁打を放った。だが、さらなる飛躍を期待された19年シーズンから打撃不振が続く。今キャンプでも葛藤を続けている上林に、王会長が浮上のヒントとなる言葉を授けた。

 「彼はいい感じを出したんだけれど、その後が…ということ。もう一度、原点に戻ってやるぐらいでいい。プロ野球は常に変化する。新鮮に思ってやれるチャンスなんだよ。何かをつかんでくれ」

 全体練習後に行ったマシン打撃を終えた上林は“原点回帰”の言葉を伝え聞くと、吹っ切れた様子で言葉を続けた。「原点…。年数も情報も増えてグチャグチャになったのがある。もう一回、自分の好きなように。気持ち悪いことはしないというふうにしたい。これが原点」と光明を見いだしていた。

 この日の打撃練習は53スイングで柵越え2本だったが、5日の特打では王会長、工藤監督らが見守る中、183スイングで21本の柵越えをマークした。185スイングで14本の柵越えだった栗原を上回ったように、ポテンシャルはやはり並ではない。工藤監督は「自分の打撃を見つめている。引っ張りばかりだったが、左中間、左翼に飛ぶようになっている」と変化を感じ取っていた。

 オフには西武で最多安打4度の秋山(レッズ)と合同自主トレを行い、本塁打の意識を捨て塁間を抜く打球と意識を切り替えた。小久保ヘッドコーチからは「前の足(右)を止める意識が強いと逆に腰が前に行く。前の足を柔らかくすれば腰が回れる」とアドバイスを送られた。逆方向に強い打球を狙うあまりに出る癖の修正にも取り組んでいる。

 「(レギュラー出場時には)本能的にやっていた。投手をなめてかかってた。その感覚が出てきたらいいのかな」と上林。9日からの第3クールからはシート打撃など実戦形式も増える。右翼のポジションは栗原らライバルが多いが「今は自分のことに集中している」と語った。実力を出し切れば――。自分を信じてサバイバルを勝ち抜き、輝きを取り戻してみせる。

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2021年2月8日のニュース