阪神・藤浪 全開155キロでドラ1佐藤輝斬り!見応えあるオール直球勝負 初動負荷トレも進化の一因

[ 2021年2月8日 05:30 ]

阪神紅白戦   白組7―3紅組 ※特別ルール ( 2021年2月7日    宜野座 )

<阪神宜野座キャンプ>1日キャプテンとなりアップで笑顔でジャンプをする藤浪(撮影・坂田 高浩)
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 阪神の藤浪晋太郎投手(26)が7日、紅白戦で今春初実戦のマウンドに上がり、2回1安打無失点と快投を披露した。注目を集めたドラフト1位・佐藤輝明内野手(21=近大)も、この日最速となる155キロで空振り三振。1月には鳥取のトレーニング施設「ワールドウィング」で初動負荷トレーニングにも励んでいたことが判明した右腕が、逆襲の1年を快発進した。

 これは洗礼ではなく、エールだ。期待の新星に投じた4球。藤浪は、オール直球勝負でドラフト1位・佐藤輝を力でねじ伏せた。

 「個人的に楽しみだったのもありますし、自分と佐藤の対戦でファンの方も監督もみんな何を見たいか。フルスイングと真っすぐだと思う。(捕手の)梅野さんが意図をくみ取って、オール真っすぐのサインだったので応えることができた」

 待望のマッチアップは4回に訪れた。先頭で相対し初球は148キロで空を切らせ、3球目の150キロで追い込んだ。最後は真ん中外寄りに投じた155キロで空振り三振。「ファーストスイングで当たったら怖いと思った。当たるようになってきたら飛距離も出る」と、フルスイングで向かってきた背番号8との初遭遇を振り返った。

 「自分の中でしっかり(指に)かかっているというか、そういう感覚があったので」

 今春初実戦を快投で終えた。3回、白組の2番手で登場すると今年から取り組むワインドアップで剛球を投げ込んだ。先頭・小野寺を152キロの直球で見逃し三振。中野に中前へ運ばれたもののバットは破壊し力を誇示。1死一塁から坂本は遊ゴロ併殺に仕留めた。2イニング目には1死から木浪を145キロのスプリットで空振り三振。昨年、手応えをつかんだ球種の威力も健在で、2回1安打無失点と結果もしっかり伴った。

 「一回、鳥取に行ってみようと思ってるんですよ」。“新境地”に飛び込む決意を明かしていたのは19年のシーズン終了後だ。「ずっと興味があって。いつか行ってみたいと思っていて。(初動負荷は)長く現役を続けられてる方がやってるイメージがあるので、経験しておきたいなと」

 昨年も計画し、スケジュールの都合で断念していた初動負荷トレーニングで知られる鳥取市の「ワールドウィング」に今年1月に初入門した。1月中旬から約2週間、雪道を歩いてホテルと施設を往復。新鮮な環境で濃密なオフを過ごし、沖縄に乗り込んでいた。

 「スタートを良い形で切れて、次の課題に進めると思うので良かった。球種とか変化球とのコンビネーションとかに気をつけてやっていけたらと思う」。若き怪物からもぎ取ったアウトと、鳥取での刺激的な日々。大きな活力を得て、勝負のシーズンが始まった。(遠藤 礼)

 ▽初動負荷理論 鳥取市のスポーツトレーニング研究所「ワールドウィング」代表、小山裕史氏提唱のトレーニング理論。運動の最初に最大の負荷をかけた後、負荷を軽減させるトレーニング方法により、人間本来の自然な動きを取り戻すとされている。

 ▼矢野監督 申し分ないんじゃないの。朝のあいさつが良かった。そこからもう、期待通りというか。佐藤(輝)との勝負も、真っすぐで行くだろうなと思っていてね、真っすぐで行って。しっかりこう三振取るっていう、のもそうだし。もう「カッコいい大賞」間違いないでしょう。

 《1日キャプテンで名スピーチ》1日キャプテンを務めた藤浪が練習前に、恩師の大阪桐蔭・西谷監督からの教えを盛り込んだ“名スピーチ”を披露した。「テーマは勝ちきることを意識してもらいたいと思います。遥人、日本で一番高い山の名前は?」。「富士山です」と答えた高橋に「じゃあ2位は」と問うと答えられず。右腕は「皆さん2位は知らないと思います。1位にならないと意味がない。弱い自分に勝つこと、相手に勝つこと、普段の一つ一つを勝つことを意識してプレーしてもらいたいと思います」と締めた。

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