日本ハム・ドラ6今川 初打席初球初スイングで初安打、中田バットに感謝

[ 2021年2月8日 05:30 ]

日本ハム紅白戦   白組2ー0紅組 ( 2021年2月7日    名護 )

二塁打を放つ今川(撮影・高橋茂夫)
Photo By スポニチ

 日本ハムは7日、春季キャンプ初の紅白戦をタピックスタジアム名護で行った。大アピールしたのがドラフト6位入団の今川優馬外野手(24=JFE東日本)。2回の初打席で、吉田輝星(20)の初球ストレートを捉えて右中間二塁打を記録した。全て本塁打狙いのフルスイングをする姿勢を評価されてプロの門を叩いた道産子ルーキーが、第1戦から持ち味を発揮した。

 ぐんと伸びた。中堅・松本剛も右翼・谷口も全く追い付かない。快音を残して走りだした今川は勢い良く二塁に達した。「結果より過程にこだわろうと思っていた」。過程、イコール打席での姿だ。

 「フルスイング、当たればホームランという形でいきたい」と前日6日に話していた。それが日本ハムのスカウトに評価され、プロ野球人生を通して貫くと決めた姿。初打席の初球、最初のフルスイングでかっ飛ばした。

 「打った瞬間、抜けるだろうと。ホームラン…にはならなかったですね。技術の詰めの甘さが出ました」

 ニヤッと笑う。実際には高い技術だった。打席に向かう時の意識は、前の打者の渡辺が三振した吉田のカーブにあったという。来たのは直球で、コースも外寄り。「うまく反応で打てた。練習の成果が出た」と話す。

 手にしていたのは中田から譲り受けたバット。かねて中田モデルのバットを使っていることを伝え聞いた中田本人から、第1クール中に1本、手渡された。ファンとして応援してきた球団の主砲からの贈り物。「折れたらもったいない」と使用をためらったが、「振り抜きやすさがいい」と感じたバットの力を借りることにした。

 前夜、相手先発に決まっていた吉田の映像を見て「内寄りの球をレフトへ場外弾!」とイメージトレーニングをした。手には、抜くと決めた「宝刀」を眠りに就く寸前まで握り締めていた。そして放った初安打。「中田さんに感謝の言葉をお伝えしたい」と口にした。

 進化中の「お尻」も飛距離の土台だ。体の中で自慢できるパーツとして挙げていたが、新人合同自主トレ前の採寸でXLだったハーフパンツが「スクワットをするとパツパツで破けそう」になったため、2XLを発注した。「自主トレでウエートトレーニングも結構あったので。打球も社会人時代より飛ぶと感じています」と笑う。

 大事なバットがもし折れたら…と聞かれると「もう1本もらいに行こうかな。怖いですけど…」とまた笑顔になった。よく振り、よく笑う。人の心をつかむ濃厚なキャラクター。2打数1安打の初陣から開幕1軍へのアピールが始まった。(和田 裕司)

続きを表示

2021年2月8日のニュース