日本ハム・輝星、脱力に見えた3年目の脱皮…2回零封より「打たれた1球」に成長の跡

[ 2021年2月8日 05:30 ]

日本ハム紅白戦   紅組0ー2白組 ( 2021年2月7日    名護 )

日本ハム紅白戦で力投する紅組の先発・吉田(撮影・高橋茂夫)
Photo By スポニチ

 確かに変わった。フォーム、体つきが同じでも、日本ハム・吉田にはマウンドでゆとりがある。ひたすら全力で投げていた昨年までとは違っていた。

 「打者が立っても意外とコントロールは悪くなくて、自分の感覚で投げられた」。今キャンプ初の実戦となる紅白戦の先発。自己採点は「50点」だったが、その口ぶりからは手応えが伝わってきた。

 2回を1安打無失点。三振は2つ奪った。全31球のうち変化球は4球。テーマに掲げた直球で押し込み、攻めた。「直球でどんどん行けたのは良かった」。三振はいずれも直球で追い込み、渡辺をスライダーで、宇佐見はフォークで空振りさせた。球団のスピードガンで最速は146キロ。「全然ダメ。変に力を入れすぎたかも」と振り返るが、今季初の実戦で内容は十分だ。

 3年目の進化が見えたのは、二塁打されたドラフト6位・今川(JFE東日本)への投球。2回1死無走者で初球を右中間へ運ばれたが、これを猛省した。全力でない直球でカウントを取れれば投球の幅が広がる。明確な狙いを持った一球だが「初球は振ってこないと決めつけ、完全に油断した。初球から振ってくることを感じ取れなかった」。打者の意図を感じながら投げるというテーマがあればこその言葉だ。

 3年目で初めての開幕ローテーション入りへ前進。期待を寄せる栗山監督は「まだ強い球がいける」と注文を付けた。次回の実戦は13日の紅白戦の予定。「ニュー輝星」はまた新たな一面を見せる。(秋村 誠人)

続きを表示

この記事のフォト

2021年2月8日のニュース