巨人・原監督 かねて提唱のDH制“歓迎”「歴史は動いた」「面白いシリーズになる」

[ 2020年11月20日 05:30 ]

日本シリーズ 21日開幕   巨人―ソフトバンク

報道陣に対応する原監督
Photo By 代表撮影

 突然のルール変更も受けて立つ構えだ。かねてセ・リーグのDH制導入を提唱する巨人・原監督から出たのは歓迎の言葉。19日、京セラドームで全体練習を行い「面白いシリーズになると思う。スリリングな息の抜けない、ファンがドキドキする。打席に三振をしに行く人は誰一人いない」と2日後の初戦を見据えた。

 世界大会で主流のDH制。自身も09年のWBCでは指揮官として世界一連覇を達成した。コロナ禍の今季は交流戦がなく、初めてDH制を用いることになるが「有利とか不利とかそんな論理は野球界に対して失礼」と広い視野で捉えている。

 百戦錬磨の指揮官。打者9人を、12球団で防御率唯一の2点台(2・92)であるソフトバンク投手陣に真っ正面からぶつける。主に一塁を守る中島とウィーラーの併用や、左足内転筋に不安がある亀井をDHで起用するなど戦略の幅は広がる。さらに初戦に先発するエース・菅野に代打を送る局面もなくなる。

 今回は選手の肉体的負担、故障のリスクを軽減することが目的だがDH制導入を唱える根底は教育的観点だ。高校野球ではレギュラーが9から10人に増え、打撃に特化した選手の育成につながる。「DH制があれば野球人口も増える。プロ野球を目指そうという人間を増やす」と巡らせる思惑は壮大。出場機会増加による打者やスペシャリストの育成、投手のレベルアップなどプロでも多くのメリットを生むと考える。

 原監督は「一歩踏み出す必要がある。追い風を吹かせたい。大変な歴史(の分岐点)に我々がいたというところ。歴史は動いた」と力を込めた。見据えるのは目先の勝利ではなく、野球界の発展だ。(神田 佑)

続きを表示

2020年11月20日のニュース