ヤクルト・村上が二盗、三盗、えっ!?本盗! 41年ぶりパーフェクトスチール

[ 2020年11月6日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト7-8阪神 ( 2020年11月5日    甲子園 )

<神・ヤ>2回2死二、三塁、村上は本盗を決める(撮影・大森 寛明)
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 甲子園球場の1万8585人がどよめいた。2回2死二、三塁。三塁走者のヤクルト・村上が、二塁へけん制球を送った阪神バッテリーの隙を突いて本塁突入。足から滑り込んで左手でホームベースにタッチした。

 「“行けたら行け”のサインで、思い切って走れた。うまくタイミングが取れた」

 それだけではない。この回、2死走者なしから右前打で出塁すると、西勇の宮本への初球で二盗。宮本の四球後、西浦の打席で今度は重盗を敢行して三盗すると、最後は2ボール1ストライクから本盗に成功した。

 1イニングに二盗、三盗、本盗を決める「パーフェクトスチール」は、79年の島田誠(日本ハム)以来41年ぶり17人目の快挙。「3盗塁は人生で初めて。凄くうれしい」。1メートル88、97キロの巨体は豪快な打撃が注目されるが、実は50メートルを6秒1で走る俊足。今季はこれで11盗塁となった。

 高校3年間を過ごした熊本・九州学院の野球部グラウンドには陸上部顔負けのクロスカントリーコースがある。部員が「地獄」と称する急斜面を利用したコースで走力を鍛え抜き「足に自信はないが、遅くもない」と話す。打っては初回に右前へ先制打。今季84打点目を叩き出した。

 昨季は本塁打、打点で高卒2年目の日本記録(36本塁打はタイ記録)を打ち立て、今季も26本塁打。打撃に練習の比重を置いても「打つのも走るのも体の使い方なのでトレーニングで(走力が)落ちることはない」と断言する。試合は敗れたが、秋の甲子園に村上の怪物ぶりが際立った。(君島 圭介)

 ○…村上(ヤ)が2回に二盗、三盗、本盗に成功。1イニング3盗塁は79年6月5日西武戦の3回に島田誠(日)が記録して以来41年ぶり17人目。チームでは53年4月9日名古屋戦の初回に土屋伍郎が決めて以来67年ぶり2人目になる。この回は宮本も2盗塁を決め、計5盗塁。ヤクルトのイニング5盗塁以上は08年7月17日阪神戦の9回にプロ野球タイの6盗塁を記録したのに次ぎ2度目。また、村上、宮本は2度の重盗。チームでイニング2度の重盗は前記阪神戦で福地、青木が決めて以来だ。

 ▼森繁和氏(本紙評論家。79年、島田誠に1イニング3盗塁を許す)よく覚えている。私は入団1年目。2番打者の島田誠は私と同学年で、福本豊さんと盗塁王の座を争っていた。野村克也さんとのバッテリーだったが、受けたノムさんは“投手が悪い”と言うかもしれない(笑い)。投手としても捕手としても恥ずかしいことだったと思う。

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