データで見るWシリーズ第4戦 ヒーローはトレード3回の渡り鳥 フィリップスが貴重な一打

[ 2020年10月25日 14:29 ]

ワールドシリーズ第4戦   レイズ8―7ドジャース ( 2020年10月24日    テキサス州アーリントン )

9回に貴重なヒットを放ったレイズのフィリップス(AP)
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 8回に代走として出場し、1点を追って迎えた9回2死1、2塁で貴重なタイムリーを中前に放ったレイズのブレット・フィリップス(26)は、2012年のドラフトでアストロズが6巡目に指名した高卒の外野手。2015年7月30日にアストロズからブルワーズ、2018年7月27日にブルワーズからロイヤルズ、そして今年の8月27日にロイヤルズからレイズへと3度のトレードを経験して移籍してきた選手だった。

 今季の打率は・196と目立った成績ではないが、2015年に外野からの返球で本塁で捕殺を記録した際に、その返球が104マイル(約167キロ)を計測。これまでは打撃よりもむしろ強肩を生かした守備力の評価が高い外野手だった。

 フィリップの同点タイムリーのあと本塁を狙った一走のランディー・アロザレーナ(25)は本塁手前9メートルで脚がもつれて転倒。しかしその姿を視野にとらえていなかったドジャースの捕手、ウィル・スミス(25)がタッチをあせってミットからボールをこぼしてしまうという「敵失」でレイズは劇的な逆転サヨナラ勝ちを飾り、9月4日に登録されたばかりのフィリップスのレイズでは4本目という予期せぬ?ヒットが勝者と敗者を土壇場で入れ替える結果となった。

 ドジャースの「3番・三塁」、ジャスティン・ターナー(35)は初回にレイズ先発左腕のライアン・ヤーブロー(28)から中越えに先制ソロ。チャーリー・モートン(35)から放った第3戦の先制ソロに続いて初回に本塁打を記録した。

 ワールドシリーズで初回に2度本塁打を放ったのは1988年のミッキー・ハッチャー(ドジャース=第1、5戦)と2019年のアレックス・ブレグマン(アストロズ=第2、6戦)を含めて史上3人目。ただし2試合連続は史上初めてとなった。さらにターナーのポストシーズンでの通算本塁打数(2016~20年)は12本。デューク・スナイダーが1952~59年にマークしていたチーム最多記録を更新した。

 3回にはコーリー・シーガー(26)が今ポストシーズン8本目となるソロ本塁打。前日にレイズのアロザリナがマークしていたリーグの最多記録(他3人)に並び、ポストシーズン通算では11本となってターナーのチーム記録にもあと1本と迫った。ただしそのアロザレーナは4回、ドジャース先発のフリオ・ウリアス(24)から左越えにソロ本塁打。今ポストシーズンの本塁打数は同一シーズンとしては歴代単独1位の9本目となった。

 ターナーとシーガーの一発でドジャースはブレーブスとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第5戦から7試合連続で複数本塁打(3→2→2→2→3→2→2)を記録。これはポストシーズン新記録となった。またドジャースが第4戦で記録した7点はすべて2死からの得点。今ポストシーズンでは全体の61%に相当する57点を2死からマークしている。

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