ヤンキース担当現地記者5人 マー君の去就予想 「QO」がポイント

[ 2020年10月11日 02:30 ]

ア・リーグ地区シリーズ第5戦   ヤンキース1-2レイズ ( 2020年10月9日    サンディエゴ )

 田中の去就について、ヤンキースを担当する現地記者5人に見解を聞いた。いずれもヤ軍から再契約のオファーは出ると予想。契約の大きさに関しては、「クオリファイング・オファー(QO)」を出すか出さないかが、一つのポイントになる。

 <ニューズデー エリク・ボランド記者>

 今年はコロナ騒動の影響で球団にどれだけのお金があるか分からない。どこの球団も同じだろう。田中の価値に見合う、彼が望む金額と年数をヤンキースが用意できるか。おそらく、それは無理だろう。長期の契約が欲しければ欲しいほど単年の単価は低くなる。それが今年のマーケットではないか。ヤ軍残留を望むと言われている田中が、低い額でもサインするのかどうか。ヤ軍はおそらく、QOを田中に出すだろう。田中はまず、その金額で1年契約を結ぶべきではないか。その後、来季プレーしながら交渉していけばいい。

 <ESPN マーリー・リベラ記者>

 ヤンキースはQOを出す。その上で双方が複数年契約の交渉を行い、4年総額7500万~8000万ドル(約79億5000万~約84億8000万円)プラス出来高の巨額の契約になると思う。田中はまだ31歳と若く成績は安定しているし、ビッグゲームの経験も豊富。こんな投手はなかなかマーケットに出てこない。その上、ブライアン・キャッシュマンGMはプロフェッショナルとしての田中を物凄く買っている。引き留める最大限の努力をする。

 <NYポスト紙 ケン・デビッドオフ記者>

 QOは出さない。例年ならヤンキースはチケット収入がばく大だが、今季は新型コロナの影響で、その収益がゼロ。お金がない。FAでは二塁手ラメーヒューの引き留めが最優先事項。加えて、ジャッジら年俸調停権を得る選手にも、資金が必要となる。通常の年なら田中にQOを出したと思うが、このオフは、そうはならない。もっとも、田中もヤンキースに愛着があるはずだし、1300万~1400万ドル(約13億7800万~約14億8400万円)程度の1年契約で合意するとみる。

 <NYタイムズ紙 ジェームズ・ワグナー記者>

 今季の田中はスプリットが良くなく、スライダーとツーシームに頼る投球だった。メンタルは強いし、頭脳派の投手。だから試合には勝てるが、大リーグで今もトップクラスかどうかというと疑問符がつく。来季も宝刀のスプリットがよみがえるのかどうか、定かではない。だからヤンキースはQOを出さないと思う。私の予想は、田中がFA市場に出る前に交渉して、2年総額3000万ドル(約31億8000万円)くらいで合意するというものだ。

 <バーゲン・レコード紙 ピート・カルデラ記者>

 QOは出さないがヤンキースは田中がFA市場に出る前に契約をオファーして引き留めようとすると思う。2年契約か、1年契約プラス2年目の選択権。年俸はQOの金額に近い1700万ドル(約18億200万円)くらいか。田中はケガによる長期離脱もないし、ローテーションをきっちり守ってくれる価値の高いローテーション投手。今のチーム内にはコール以外にそんな投手がいない。

 ▼クオリファイング・オファー(QO) 年間を通じて同一チームに在籍し、FAとなる選手に単年契約での残留を要請できる制度。今オフの設定額は1890万ドル(約20億300万円)。FAとなる選手はワールドシリーズ終了翌日から5日間が今季所属球団との独占交渉期間で、QOの提示期間でもある。提示された選手はQOを受け入れるか拒否するかを、提示期限日からの10日間で決める。QOを拒否し他球団と契約すると、旧所属球団は移籍先の球団から補償としてドラフト指名権が与えられるメリットがある。

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2020年10月11日のニュース