郡山・土井 高校通算32号、打てる捕手でアピール 全国的には無名の逸材

[ 2020年7月23日 05:30 ]

奈良大会2回戦   郡山8-10一条 ( 2020年7月22日    佐藤薬品スタジアム )

<郡山・一条>8回無死一、二塁、土井は逆転3ランを放つ(撮影・井垣 忠夫)
Photo By スポニチ

 古都の隠れた逸材が、敗戦の中で輝きを放った。今秋ドラフト候補の郡山・土井翔太捕手(3年)が1点を追う8回無死一、三塁から高校通算32号となる一時逆転の3ランを左翼芝生席最前列に運んだ。

 「絶対くると思って、狙っていました」

 相手右腕とは初の対峙(たいじ)だったがスライダーが多いことを頭に入れ、1ボールから真ん中にきた失投を大振りせずコンパクトにスイング。打球は図ったようにフェンスを越えた。

 全国的には無名の存在だが、二塁送球完了1秒85を誇るなど攻守ともに能力は高い。この日は3球団が視察し中日の中田宗男アマスカウト・アドバイザーは「打席の中で投手と間合いを取れている。スローイングも安定感がある」と非凡なセンスを評価。ソフトボール日本代表の捕手として北京五輪で金メダルを獲得したオリックスの乾絵美スカウトも「打てるキャッチャーはかっこいい」と捕手目線で称した。

 直後の9回に4点を奪われ逆転負け。「信じられない。ここで終わるようなチームではないと思っていましたが…」と、わずか1試合に終わった最後の夏に涙で声を詰まらせた。ただ、進路については家族とも相談済みで「上のレベルで野球をやりたい。行きたい気持ちはあります」とプロ志望を明言。「公立の星」として運命のドラフトを待つ。 (北野 将市)

 ◆土井 翔太(どい・しょうた)2002年(平14)4月19日生まれ、奈良県田原本町出身の18歳。5歳から「平野スポーツ少年団」で野球を始める。田原本中では「郡山シニア」に所属。郡山では捕手として1年夏から背番号15でベンチ入りし2年春から遊撃手でレギュラー。同秋から捕手に再転向。1メートル75、78キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

2020年7月23日のニュース