日本ハム・野村 5戦3発で開幕スタメンに望み 横尾とし烈な三塁争い

[ 2020年6月15日 05:30 ]

練習試合   日本ハム4-2巨人 ( 2020年6月14日    東京D )

<練習試合 巨・日>6回1死、日本ハム・野村は左越えにソロを放つ(撮影・西尾 大助)
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 日本ハム・野村佑希内野手(19)が14日、開幕前最後の練習試合となった巨人戦に「7番・三塁」で先発出場。6回に練習試合5試合で3本目となる左越えソロを放ち、開幕スタメンへ望みをつないだ。高卒2年目の選手が開幕戦に出場すれば球団では14年の大谷翔平(現エンゼルス)以来。三塁を争う横尾俊建内野手(27)も一発を放つなど、開幕三塁を巡る争いがし烈を極める。

 最後の最後まで諦めない。野村が開幕スタメンへ希望のアーチを描いた。大砲ぞろいの日本ハムベンチから歓声が沸く。練習試合再開後3本塁打は、主力の中田、大田とともにチームトップタイだ。左翼席中段へかっ飛ばした19歳は無表情でダイヤモンドを一周したが、両手には確かな感触が残っていた。

 「自分にできるのは真っすぐを強く打ちにいくことだけ。その中で捉えられたのは良かった。(打球の)上がり方も良く、いい打ち方ができた」

 12日にも一発を放った高卒2年目右腕・沼田(旭川大高出)との再戦。カウント2―1から厳しい内角直球にバットがぴたりと止まり、続く5球目だった。前の球よりやや内側に入った144キロ内角直球に鋭く体を回転させた。

 高い技術が詰まった一発。これには栗山監督も「前回も追い込まれてからど真ん中に来たかもしれないけど、それを1球で仕留められたのは間違いない。それはいろんな技術。ファウルの仕方とかボールの見逃し方とか」と分析。その上で「(本塁打が出るのは)振りにいこうとしているから。なかなかこの打席数(16打席)で3本も本塁打を打たねえだろ」と、確実に仕留める能力を評価した。

 ベンチではほほ笑ましいやりとりもあった。中田の視線を感じたという野村が中田の方へ視線をやると、近くにいた横尾が中田に「野村が1分に1回くらいチラチラ見ていましたよ」と告げた。しかし、中田は実際には見ておらず「チラチラ見てんなよ」といじられる羽目に…。グラウンド上では横尾と激しい争いを繰り広げるが、中田も含めてベンチ内ではいい雰囲気をつくっている。

 栗山監督は野村の開幕1軍入りについて「開幕も大事だけど、一番大事なのは優勝した時にいること。それを考えればいろいろなやり方がある」と明言は避けた。「選ばれたらしっかり準備をして頑張りたいと思うし、駄目でもまた練習をすればいいだけなので」と野村。万波も含めた2年目戦士の台頭が、チームを底上げする大きな力となることは間違いない。(東尾 洋樹)

 ◆野村 佑希(のむら・ゆうき)2000年(平12)6月26日生まれ、米ミシガン州出身の19歳。両親は日本人だが米国生まれのため「ジェームス」のミドルネームを持つ。花咲徳栄では夏の甲子園に2度出場し、2年夏は全国制覇。高校通算58本塁打。18年ドラフト2位で入団。1メートル87、92キロ。右投げ右打ち。

 ▼日本ハムマルティネス(5回を5安打2失点。開幕3戦目の21日西武戦先発が有力)全体的に調子良く投球することができた。2失点も重要視していない。

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