阪神、失策数減へ「板グラブ」 北條、大山らが志願の特守

[ 2019年11月12日 05:30 ]

平面グラブを使って練習する大山(撮影・坂田 高浩) 
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 矢野阪神2年目の重要テーマは「失策数の減少」だ。今季は12球団ワーストの102失策。守備力向上への対策をたびたび実施してきたが、この日はひと味違った。全体練習終了後、普段なら特打が行われるはずが打撃マシンとネットが下げられ、グラブをはめた若手内野手がポジションに就いた。今キャンプ初、メイングラウンドでの特守がはじまった。

 「下(サブ)でやるのとは雰囲気が違う。エラーを102個したわけだから、選手はショックを受けていたと思う。最初は聖也(木浪)とかだけの予定だったけど、悠輔(大山)とかが“やりたい”と言ってきてね」

 久慈内野守備走塁コーチが明かしたように木浪、熊谷、小幡、藤谷で組まれていたメニューを見て北條、大山、植田が参加を志願した。各自が定位置でゴロをさばく中、大山は三塁と本塁の中間地点に陣取り、打球の体感速度を高めた練習を実施。「サードは(打者との)距離が近いので、バウンドが合わない中で一歩前に出たり、下がったり、ハンドリングで捕らないいけない」と、工夫を凝らした。

 その後、ノッカーを務めた久慈、藤本両コーチから「20周ノーエラー」指令が下された。1人でもミスを犯せば最初からやり直し。過酷な設定の中で一塁送球、併殺の2パターンをこなした。午後2時35分に始まり終わったのは同3時55分。80分に及ぶ徹底した守備練習を見守った観客からは拍手が起こった。

 102失策のうち大山、木浪、北條が47個を記録するなど内野の守備力向上は急務の課題。久慈コーチは「ピッチャーの足を引っ張ることが多かった。藤本コーチと選手と一緒に考えてやっていきたい」と名誉挽回を誓った。全体練習開始前にも北條らが特守を行ったほか、握り替えや捕球力向上の効果が見込める「板グラブ」を使用。内野守備に明け暮れた1日だった。 (巻木 周平)

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2019年11月12日のニュース