楽天・石井ＧＭ　藤原外したけど…辰己引いた　４球団競合の大学Ｎｏ．１野手

１８年プロ野球ドラフト会議 （ 2018年10月25日 ）

辰己の指名権を獲得しガッツポーズをする楽天・石井ＧＭ（右）とうなだれる阪神・矢野監督（撮影・小海途　良幹）
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　日米通算１８２勝を挙げた現役時代はマウンドでいつもひょうひょうとしていた楽天・石井一久ＧＭが、利き腕の左腕を突き上げ、平石監督らがいる球団テーブルの方を振り向いた。外れ１位は４球団競合の末、立命大・辰己の交渉権を宣言通り「右手」で引き当てた。

　「２回外すのはあり得ないと思っていた」

　９月にＧＭに就任し、初めてのドラフト会議。１位は大阪桐蔭・藤原を指名したが、一度つかんだクジを落としてしまうアクシデントもあり３球団競合で「外れ」を引いた。それでも「それも含めて、辰己くんとご縁があったのかな」と大学生Ｎｏ・１野手を指名し誇らしげに振り返った。

　辰己は５０メートル走５秒７、遠投１２５メートルを誇る三拍子そろった外野手。今季は２年目の田中が中堅のレギュラーをつかみ、チーム最高打率の・２９２を記録した島内が左翼や右翼を守るが、もう１枚は固定し切れていない。オコエら将来性のある若手もいるが、石井ＧＭは「肩と足は、すぐにプロに入ってもトップクラス。打撃も力がある。１年目から活躍してほしい」と活性化を期待した。

　２位では補強ポイントである捕手の太田、投手も４人中、左腕を３人指名した。ドラフト会議を振り返り「下位の選手のクオリティーも１２球団で負けていない」。初仕事を終えた石井ＧＭの表情は満足感に満ちていた。　（黒野　有仁）