中日ドラ1根尾「ファンだった」4球団競合も岐阜県出身“意中”の球団へ

[ 2018年10月26日 05:30 ]

18年プロ野球ドラフト会議 ( 2018年10月25日 )

中日から1位指名され、胴上げされる大阪桐蔭・根尾(撮影・北條 貴史)
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 大阪桐蔭から、4人がドラフト会議で指名された。高校通算32本塁打、投げても最速150キロの根尾昂内野手(18)は、4球団が1位で競合した末に中日が交渉権を獲得。3球団が1位指名で重なった三拍子揃った藤原恭大外野手(18)は、ロッテが抽選で引き当てた。同一高校から野手2人の1位指名はプロ野球史上初だ(分離開催除く)。さらに左腕の横川凱投手(18)は巨人4位、エースの柿木蓮投手(18)は日本ハム5位で指名された。

 相思相愛の両者が結ばれた。12球団で最も早く1位を公言した中日と、「小さい頃はテレビを付ければ試合をしていた。ファンだった」という岐阜県出身の根尾のことだ。

 この秋の目玉は、運命のドラフトを、大阪府大東市の学校でテレビ観戦。日本ハム、巨人、ヤクルトとの抽選に勝った与田剛新監督のガッツポーズが画面に映ると、厳しかった表情が和らいだ。

 「どの球団でも良かったけど、中日に決まってホッとしました」

 最強世代の大阪桐蔭現3年生で、ひときわ輝きを放った。投げては最速150キロで、遊撃手として高校通算32本塁打を放った広角に打てる左の強打者。2年春、3年春夏と3度の全国制覇を経験した。

 何をやってもスゴイのが根尾という男。遠投120メートルで50メートルは6秒1。中学ではスキーで全国優勝。両親が医者で成績優秀。スポーツコースの成績上位者が集うクラスに、野球部で唯一在籍する。この才能の塊の評価は高く、同僚の藤原の3球団を超え、報徳学園の小園と並ぶ最多4球団から1位指名を受けた。

 投打で超高校級の18歳だが、大リーグ・エンゼルスの大谷のような二刀流は現実的ではなさそうだ。前日24日に遊撃手で勝負する意思を表明。4球団で最初にくじを引き、右手で当たりを引き当てた与田監督は「(投打は)本人の意思を尊重したい」と語りつつも、「京田と戦わせながらやりたい」と、来季大卒3年目を迎える17年の新人王と競わせる考えを口にした。立浪和義のような打って守れる選手が、理想だ。

 「プロの世界で超一流になることを目標にしたいです」

 根尾が目指すのは一流ではなく、その上。あふれんばかりの才能の最終形は、誰もまだ予想できない。(倉世古 洋平)

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