先天性四肢障がいの高知商・山中主将、代打で公式戦初出場 スタンド大拍手に「嬉しかった」

[ 2018年10月2日 14:38 ]

福井国体高校野球硬式 1回戦   近江6―4高知商 ( 2018年10月2日    福井県営球場 )

 高知商が近江に4―6で惜敗した。

 8回2死から山中大河主将(3年)が、公式戦初打席。左飛を放ち「最後監督が出してくれると信じていた。少し差し込まれてしまったけど、打った感触は良かった」。9回についた右翼の守備では、右前打も捕球し、「良い経験ができた。みんなに感謝したい」と喜んだ。

 山中は、先天性四肢障がいのため生まれつき右手の指は2本しかない。それでも野球への思いを諦めずに、大リーグで活躍した隻腕投手のジム・アボットを参考に守備を勉強。毎日の素振りも欠かさず行ってきた。

 打席に立った瞬間にはスタンドから拍手が起こり、「暖かい声援や拍手があって嬉しかった。この舞台に立てたのも、メンバーのおかげ」と笑った。高校卒業後は大学に進み、野球の指導者を目指す。「教員免許を取って指導者として、生徒を甲子園に連れて行きたい」と将来を語った。

 上田修身監督も「人のためにという気持ちをすごく持っている子。子供らのために尽くしてくれるんじゃないかな」と暖かく夢を後押しした。

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2018年10月2日のニュース