胃がん手術から復帰の広島・赤松 現役続行へ 球団から一任され決断

[ 2018年10月2日 07:30 ]

広島の赤松
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 広島・赤松真人外野手(36)が来季も現役を続行することが1日、分かった。来季については判断を球団から一任され、本人が決断。昨年1月の胃がん手術からの復活を目指し、今季かなわなかった1軍出場への決意を改めて強くした。

 1軍に帰りたい――。胃がんからの復活を目指す赤松は熟考の末、現役続行の意志を球団に伝えた。球団首脳は「もう1年くらいは(続けてほしい)と個人的には思っている。どこかでみんなの、がん患者の力になることもできるし、頑張ってほしい」と現役続行を切望していた。それでも、来季もユニホームを着ることに即答できたわけではない。

 「悩みはあった。僕が残れば(支配下選手枠が)1枠増えるわけなので…」

 16年12月に胃がんが発覚し、昨年の1月5日に手術。地道なリハビリを乗り越えて、今季は2年ぶりに春季キャンプに参加した。3月4日の教育リーグ・中日戦で代打として1年4カ月ぶりの実戦復帰を果たすと、7月21日のウエスタン・リーグ、オリックス戦では復帰後初本塁打を記録。2軍では55試合で打率・237、14安打、5打点と出場機会を重ねた。1軍へ向けて「代走だと思います」と役割を思い描き、持ち味の走力では5盗塁もマークした。

 ただ、完全復活は遠い。いまも1カ月に一度の血液検査、3カ月に一度のCT検査は欠かせない。体調と相談しながらの日々は続いている。

 「今年はキャンプから100%でいけたかと言われれば、そうではなかった。オフはほとんど負荷をかけられなかった。来年調子がよくなったら、追い込むわけではないけどしっかりやれるかもしれない。不安と楽しみは半々です」

 今季中の昇格は見送られることが濃厚。今月上旬に始まる「みやざきフェニックス・リーグ」には参加せず2軍の大野練習場で練習を積む。「使命感ではないけど、(元気な姿を)見てもらいたいという思いはある」。ガンを経験し、背負うものも増えた。プロ野球選手初となる胃がんからの復活へ――。前例のない挑戦は来季へ続く。(河合 洋介)

 ▽赤松の経過

 ★16年12月28日 球団事務所で緊急会見。初期段階の胃がんを公表。

 ★17年1月5日 広島市内の病院で切除手術。

 ★同16日 退院。ブログに「常に前だけを見てやっていきたい」

 ★3月16日 マツダスタジアムで手術後初のリハビリ。

 ★7月11日 大野練習場で手術後初めてチームに合流。3軍で体づくり。

 ★9月6日 35歳誕生日。由宇での2軍練習に参加。

 ★同18日 阪神戦(甲子園)でリーグ優勝。歓喜の輪に加わる。

 ★18年2月1日 2軍で春季キャンプ参加。

 ★3月4日 教育リーグ・中日戦(由宇)9回に代打で1年4カ月ぶりの実戦復帰。

 ★7月21日 ウエスタン・オリックス戦(富田林BS)初回先頭打者弾で復帰後初本塁打。

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2018年10月2日のニュース