【北神奈川】東海大相模スーパー1年生4番・西川 衝撃の場外弾デビュー!

[ 2018年7月20日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念北神奈川大会3回戦   東海大相模9―0大和南 ( 2018年7月19日    保土ケ谷 )

<東海大相模・大和南>3回1死一、二塁、左翼場外への3ランを放つ東海大相模・西川(撮影・木村 揚輔)
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 衝撃の4番デビューだ。東海大相模の西川僚祐外野手(1年)が19日、第100回全国高校野球選手権記念大会北神奈川大会、大和南との3回戦に「4番・左翼」で初めて先発出場。1年生スラッガーは3回に左翼席場外へ3ランを放ち、4番起用に「一発回答」した。公式戦初安打の特大弾は高校通算6本目。同じ1年生から4番に座ったPL学園・清原和博に匹敵する怪物ぶりを発揮した。

 バットの先っぽだった。ところが、1メートル86、94キロの規格外の体格を持つ1年生スラッガーのパワーは桁違いだ。西川が放った打球は左翼へ高々と舞い上がり、グングン伸び、場外へと消えた。飛距離130メートル。保土ケ谷球場は一瞬の静寂後、どよめきに包まれた。

 「ポール際で切れるかなと思ったけど良かった。自分がチャンスで打たなければと思っていた。1本出て良かった」。あいさつ代わりの特大3ランで4番の自覚をのぞかせた。

 今夏の初戦となった14日の厚木東との2回戦では、代打で公式戦初出場。9点リードの5回1死二、三塁、1点入ればコールド勝ちの場面でまさかの敬遠だった。迎えた3回戦。門馬敬治監督は「神奈川の高いレベルでやらなきゃいけないことは多いけれど、その中を突き進んでほしい」と大きな期待を寄せ、4番に抜てきした。

 西川は「少し緊張していた」と振り返るが、冷静だった。第1打席はストレートの四球。そして2―0の3回。公式戦初スイングは、左翼への大ファウルだった。2―2と追い込まれたが、ここからが凄い。「中学生の時から、追い込まれた後に食らいついて最低限の仕事をしようと思っている」。5球目のボール球を冷静に見逃し、フルカウントからの6球目。内角高めの速球に対し、左肘を畳んで捉えた。体の鋭い回転で場外まで飛ばした。

 3年のプロ注目スラッガー、森下を視察したプロスカウトも驚かせた。DeNAの稲嶺茂夫スカウトは「末恐ろしい。右の大打者といえば、清原さんや落合さん。そうなれる素質がある」と評した。清原和博も1年生からPL学園の主砲として活躍。その清原氏は西川の打撃を中学時代から動画でチェックし、スイングスピードの速さや、バットのヘッドを最短距離で走らせる技術を認めている。

 千葉の名門・佐倉シニア出身。実家も千葉県内にあるが「甲子園に行くなら相模」と県外に出て挑戦することを選んだ。3ランに加え、中前打と2四球の4打席全出塁で7回コールド勝ちに貢献。「打率と打点を稼げる打者になりたい」と誓った。100回の記念大会に出現した新怪物。見れば、本物だと分かる。(松井 いつき)

 【西川 僚祐(にしかわ・りょうすけ)】

 ☆生まれ 2002年(平14)4月19日生まれ、千葉県出身の16歳。

 ☆球歴 小1から野球を始める。古和釜中時代は佐倉シニアでプレーし、主に4番を務めて中3時に全国選抜とジャイアンツカップの両大会で優勝。

 ☆身長、体重 1メートル86、94キロ。本人いわく「高校で少し絞れました」

 ☆投打 右投げ右打ち。

 ☆家族 両親と兄。

 ☆伝説 昨夏のジャイアンツカップで全国制覇。東京ドームでの決勝戦で逆方向の右翼席へ叩き込み、巨人軍関係者を驚かせた。日本テレビ「Going!Sports&News」でも取り上げられ、元阪神の赤星憲広氏(スポニチ本紙評論家)に「清宮選手より凄い。ほんまもんですよ」と言わしめた。

 ☆PL学園・清原和博の1年夏 大阪大会は「4番・一塁」(1試合だけ三塁)として全7試合に出場。4回戦の吹田戦で高校通算4号となる公式戦初本塁打を放つと、続く5回戦の泉州戦では2戦連発をマークした。甲子園では横浜商(神奈川)との決勝で2回に右翼へ甲子園初アーチとなる先制ソロ。同大会は23打数7安打で打率・304、5打点と活躍し、桑田真澄との「KKコンビ」で5年ぶり2度目の全国制覇に導いた。

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