阪神ナバーロ オレは夏男 糸井サンいなくても大丈夫

[ 2018年7月16日 06:30 ]

 プロ野球は、16日にセ・パ両リーグともに後半戦をスタートする。阪神は甲子園に2位・巨人を迎えての3連戦。首位・広島と7ゲーム差、3位からの逆襲のキーマンとなるのが新助っ人ナバーロだ。

 灼熱(しゃくねつ)の太陽の下、精力的に汗を流した。6月16日の来日から1カ月。すっかり阪神に溶け込んだナバーロは、実は暑さ大好きの「夏男」だった。自身初となる巨人戦から始まる後半戦へ臨戦態勢を整えた。

 「寒いよりは暑い方が体の状態はいいよ。寒いと手がしびれたりとかするからね」

 甲子園での全体練習で入念に調整した後、したたる汗も気にせずに笑顔で取材に応じた。夏、特に7月は、ナバーロにとって特別なシーズンだ。エンゼルス時代の14年7月18日のマリナーズ戦で、延長16回にメジャー初のサヨナラ打を記録。同26日のタイガース戦では世界屈指の右腕・バーランダーからメジャー初本塁打を放った。当時、余命宣告を受けていた父親がスタンド観戦する前での劇的アーチだった。

 「僕にとってはすごく特別な思い出。お父さんがガンで余命2カ月と言われていた。その日、たまたま球場に来られて、そこでホームランが打てた。父にとっても僕にも特別な瞬間になった」

 その後、68歳で亡くなった父にささげる一発を放ったのが真夏のエンゼル・スタジアム。ベンチに戻ると、トラウト、プホルスら同僚に今年、大谷も受けた「サイレント・トリートメント」で迎えられた。「もちろん覚えているよ。プホルスたちがすごく喜んでくれた。日本で1号を打った時にはサイレント・トリートメントがなければいいね」と、いたずらっぽく笑った。

 打撃の状態が着実に上がっているのは間違いない。1軍ではここまで6試合の出場で打率・250、3打点。ただ、9日からの広島3連戦の中止を受けて調整出場した9、10日の2軍・中日戦では、計5打数5安打3打点、全7打席出塁と大暴れした。9日には初回に中日・阿知羅から左中間への「来日1号」2ラン。1軍公式戦で待望の一発が出るのも秒読みだ。

 巨人との伝統の一戦で再開するペナントレースに向け「ライバル関係に長い歴史があるのは分かっている。後半戦最初の試合になるし頑張りたい」と意気込む背番号99。猛虎の夏をさらに熱くする。(山添 晴治)

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2018年7月16日のニュース