【東兵庫】勇気もらった報徳学園の快進撃 V候補撃破まであと一歩で…

[ 2018年7月16日 08:00 ]

第92回大会準決勝   報徳学園5―6興南 ( 2010年8月20日    甲子園 )

<報徳学園・興南>1回、興南・島袋洋奨から先制打を放つなど4打点の活躍を見せた報徳学園・中島一夢
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 【スポニチ社員が選ぶわが故郷のベストゲーム】この夏、全国高校野球選手権大会は100回目。ふるさとチームの甲子園での活躍に熱くなった記憶を、北北海道から沖縄まで、今夏の代表校数と同じ56人のスポニチ社員がつづります。

 兵庫県の高校野球ファンに、「ここ10年の甲子園で印象深い試合は?」と質問をすると、多くが「報徳対興南!」と答えるはずだ。

 10年の兵庫大会は現ソフトバンクの岡本健、現中日の石岡諒太を擁する神戸国際大付が大本命だったが、制したのは報徳学園だ。準決勝でその神戸国際大付を破り、夏切符を手に。筆者は当時、同じ兵庫・明石商の2年生。代表校が全国でどんな戦いをするのか。自分たちのレベルを推し量る意味でも注目していると、ベスト4まで勝ち上がり、沖縄・興南と激突したのだった。

 同年センバツを制した興南は「琉球トルネード」島袋洋奨を擁する、絶対的優勝候補。大方の予想は「興南の決勝進出」だったが、2回までに報徳学園が5点先制する展開になった。身長1メートル68の3番・中島が4打点を挙げるなど島袋に牙をむき、地元の声援も相まって、ただならぬ盛り上がりを見せていた。

 近年の兵庫県勢の苦戦を考えれば、あれ以上の熱狂は思い浮かばない。結局、5点差をひっくり返されて敗れるのだが、9回にも一打同点の場面を演出するなど、最後まで王者に食い下がった。

 ファンや子供たちが心うたれたように、高校球児だった筆者も勇気をもらった。兵庫県勢のベスト4以上進出は、あの時が最後。報徳学園のような快進撃を、夏の甲子園で、また見たい。

 ◆巻木 周平(大阪本社報道部)兵庫・明石商出身。プロ野球・阪神担当3年目。

 <兵庫データ>

夏の出場 100回(通算135勝92敗)

最高成績 優勝7回(神戸一中=1919年、関西学院中=20年、甲陽中=23年、芦屋=52年、東洋大姫路=77年、報徳学園=81年、育英=93年)

最多出場 報徳学園(14)

最多勝利 報徳学園(26)

出場経験 30校、うち未勝利11校

 ※データは東兵庫、西兵庫を合算

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