エース田嶋抜け…JR東日本“カトパン似”板東主役デビュー 零封リレー 

[ 2018年7月16日 05:30 ]

スポニチ後援第89回都市対抗野球第3日・1回戦   JR東日本3―0西濃運輸 ( 2018年7月15日    東京ドーム )

<JR東日本・西濃運輸>6回2死三塁、伊藤を三振に斬りグラブ突き出すJR東日本・板東 (撮影・久冨木 修)
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 1回戦3試合が行われ、JR東日本(東京都)は西濃運輸(大垣市)を3―0で下した。3番手の板東湧梧投手(22)が4回1/3を1安打無失点。鳴門(徳島)時代に「カトパン」似と言われたイケメン右腕が勝利投手となった。日本通運(さいたま市)はHonda熊本(大津町)に逆転勝ち、三菱日立パワーシステムズ(横浜市)はHonda鈴鹿(鈴鹿市)を破った。

 板東が思い切り右腕を振り抜いた。高卒で入社して5年目。秋の日本選手権登板はあるが、都市対抗のマウンドには初めて立てた。1―0のリードで4回から救援。最速148キロの直球を軸に8回1死まで投げて5三振を奪い、5投手の零封リレーの主役になった。

 「自分に失うものはないと、思い切って投げられた。ドームのマウンドはうれしい」

 昨年までの絶対エース田嶋がオリックス入り。板東は新エースに期待されたが、東京都予選は腰に強い張りを覚え、満足な結果を残せなかった。故障に行く手を阻まれてきた社会人生活。入社3年でドラフト候補とも目された16年は右肘痛に見舞われ、多血小板血しょう(PRP)注射まで打った。

 「あの頃があったから、今の自分がいる。野球に対する喜びを感じますし、ありがたいことです」

 本番前の1週間、外角低めの制球力をさらに磨いた。11年優勝チームが14年優勝の西濃運輸とぶつかった1回戦屈指の好カード。快投で、今大会最多3万4000観衆の視線を集めた。堀井哲也監督は「エースたるもの、このくらいは投げてくれとの思いだった」と賛辞を贈った。

 13年夏の甲子園で、鳴門の63年ぶりの8強進出に貢献。小顔のイケメンは、加藤綾子アナウンサー似だと騒がれた。「そう言われたこともありますが…」。時は流れたが、プロ入りは諦めていない。そして、何よりの目標はチームの7年ぶりの全国制覇。「今後も結果を残し、チームに貢献するだけです」。精かんな顔つきで真っすぐ前を見据えた。 (伊藤 幸男)

 ◆板東 湧梧(ばんどう・ゆうご)1995年(平7)12月27日生まれ、徳島県鳴門市出身の22歳。鳴門では2、3年で4度甲子園に出場。2年時は登板なし、3年時はエースで春は3回戦、夏は準々決勝に進んだ。1メートル80、75キロ。右投げ右打ち。

 ▼西濃運輸・阪本一成監督 好機はつくることができたが、そこからができなかった。(先発・堀田を)引っ張りすぎたことに悔いが残る。

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