地方開催で野球の魅力を拡散 フレッシュ球宴の功績 近年の野球のライバルは…

[ 2018年7月15日 10:30 ]

4回無死、清宮が右越えにホームランを放ちベンチに迎えられる(撮影・篠原岳夫)
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 12日に弘前でフレッシュオールスターが行われた。日本ハム・清宮の一発が素晴らしかったのは言うまでもない。仕事だが、純粋に楽しんで観戦もした。記者になるまで、野球ファンを自称しながら注目していなかった自分が恥ずかしくなった。フレッシュオールスターは面白い。スーパースターへの登竜門となっているからだ。1年目のイチロー、青木宣親がMVP、松井秀喜が優秀選手に輝き、それぞれメジャーリーガーになった。新人で優秀選手に選ばれた清宮の今後が楽しみだ。

 フレッシュ球宴の特徴として、地方開催が挙げられる。10年以降では長崎、富山、新潟、秋田、長崎、倉敷、静岡と全て地方球場で行われた(15年は台風により中止)。今回の弘前・はるか夢球場では8715人のファンが声をからしていたが、特に野球少年の姿が目立った。普段、プロ野球開催がない地域でビッグイベントが行われることは、野球少年が夢を目指すきっかけになる。この点もフレッシュ球宴の大きな魅力だと思う。

 話は変わるが、箱根駅伝で4連覇を果たした青学大・原晋監督は1月3日の優勝会見で力説した。「陸上界を盛り上げたい。ライバルは早稲田、駒沢、東洋、東海ではなくサッカー界、野球界」。なるほどと思った。裏を返せば、野球界のライバルはサッカー界であり、陸上界であり、その他さまざまなスポーツだ。近年のスポーツの多様化によってライバルは確実に増えている。

 そのライバルに負けないために、プロ野球をもっと盛り上げるために、重要なのは1軍だけではない。都市だけではない。2軍への注目や各地方での野球人気を高めることが大事ではないか。しゃく熱のジャイアンツ球場で、巨人の2軍練習を見ながらそんなことを考えた。(記者コラム・岡村 幸治)

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2018年7月15日のニュース